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Damnation / OPETH
ハルディン ★★★ (2014-02-07 01:11:15)
前作「Deliverance」とは対の関係をなす7th。メロトロンの本格的な導入に加えアナログ的な丸みと暖かい聴き心地をもたらす音作り、そしてデスVoやメタルサウンドの撤廃によってまるでCAMELやPORCUPINE TREEを思わせるブリティッシュな香り漂う上質な抒情プログレに仕上がったのが最大の特徴で、OPETHとしては異色の変化球作品。3や7など曲によっては今まではサブウェポン的な扱いの多かったアコGがメインとなる場面も。

前作では凄惨極まるグロウルを轟かせていたミカエルも今作では一切咆哮せず一貫して甘く慈愛に満ちた美麗クリーンVoで歌っている。ほんのりと大人の色気を覗かせる美声は思わず溜息を漏らしてしまうほどに素晴らしく、通して聴いているとメロウなサウンドと相まって耳がトロけそうになる。基本的に穏やかさが中心になっているが1のミドルセクションのように時折覗かせる不協和音が瞬間的に空気を歪める場面もあり、このバンドならではの暗黒面が垣間見える点はさすがの一言。

前作までとは大分異なる大胆なアプローチだが、こういうある種のイレギュラー的なアルバムもアリだと思えるところや、おまけにそれが極上の出来だというのがまた恐るべしなところ。個人的には黒水公園に次いでお気に入りのアルバム。

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