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When Seconds Count / SURVIVOR
火薬バカ一代 ★★ (2010-02-27 20:51:00)
5th『VITAL SIGNS』が一定の成功を収め、映画『ロッキー4』に主題歌として提供した“BURNING HEART"も
(ディオンヌ・ワーウィックの有名曲“愛のハーモニー"に№1の座こそ阻まれたものの)シングル・チャート
最高第2位にランクインする大ヒットを飛ばした事で、ヘッドライナー・バンドへと昇格を果たしたSURVIVORが、
その結果持ち得た精神的余裕と勝ち組の貫禄を持って制作、'86年に発表した6thアルバム。
プロデューサーには再度ロン・ネヴィソンを起用し、前作の必勝パターンを手堅く再現してみせた本作は、
やや歌モノ志向が強まり躍動感が薄まった点を除けば、ヒット曲“HIGH ON YOU"を彷彿とさせるOPナンバー①といい、
前作のハイライトだった“FIRST NIGHT"から“THE SARCH IS OVER"への流れをそのまま裏返したかのような
④⑤の展開といい、全体的に『VITAL SIGNS その2』的な色合いが強く感じられる仕上がり。
と言ってもそれが悪いなんて事はなく、定まった型の中で、似て非なる名曲を生み出し続けるSURVIVORの
曲作りの上手さに心底感心させられた次第。特にA面サイドの充実っぷりは尋常じゃなく、殊に、ポップでキャッチーな
③(シングル・チャート最高8位にランクイン)、萎えた心に喝を入れてくれる誇り高きバラード④、
華やかに躍動する曲調に心浮き立つ⑤は、メロディアスHRファンなら必ずや胸打たれるであろう必聴の名曲。
リリース当時、ビルボード最高47位程度の成績しか残せなかった事実が俄かには信じ難い、産業ロック史に
燦然と輝く名盤にして、『VITAL SIGNS』と並んでSURVIVOR入門篇に打ってつけの1枚かと。
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