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A Somber Wind From A Distant Shore / CANIS DIRUS
Usher-to-the-ETHER ★ (2014-02-21 00:50:11)
2009年発表の1st。
最早普段からブラックを聴いている人には「鬱ブラックです。」の一言だけで、大方の音楽性が頭に思い描けてしまいそうな、典型的な鬱ブラック。悲鳴ヴォーカル、陰鬱なメロディ、スローに進行する展開と鬱系のテンプレは一通り満たしている音ですが、NARGAROTHの3rd辺りを思わせる、ノイズ質を強調した、怨念が降りかかってくるようですらある強烈な音作りが印象的。
ただしNARGAROTHの3rdとは異なり、こちらはトレモロよりもアルペジオによりメロディを奏でる傾向が強いのと、時折リードメロに悲壮なだけでなく、ちょっと渋めなメロディ使いがあるのが大きな違いでしょうか。また、ヴォーカルは「ヒィアアアア!」系の悲痛絶叫ですが、一声一声に全力で感情を乗せてる感じがして、この手としては好きな方ですね。
Moribund Records発らしい、ジャンルの真ん中の音を的確に、確かなクオリティで攻めてくる作品ではありますが…正直似た路線としてはトレモロ全開+メロディがより分かりやすい、NARGAROTHの「Regens~」アルバムを聴いてしまうな…というのが正直な感想。鬱ブラック自体元々突き抜けたサブジャンルだけに、その中で頭角を現すような何かが欲しい所。
→同意