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Into the storm / AXEL RUDI PELL
失恋船長 ★★★ (2014-02-28 21:35:24)
様式美マニアには安定の品質保証、継ぎ足し継ぎ足しで代々受け継がれる老舗のうなぎ屋のタレのような、様式美の世界を後世に伝えるアクセルが2014年にリリースしたフルアルバム。長年の盟友マイク・テラーナから、あのRAINBOWやサバスのドラマーを務めたボビー・ロンディネリへの変更以外はメンバーチェンジもなく(歴代ドラマーに踏ませたお約束のツーバスをやらせなかったね。彼らしい派手目のパワフルなドラムが聴けて良かった)、長らくフロントを務めるジョニー・ジョエリの甘いトーンを生かした灼熱のパフォーマンスを前面に押し出した作風に一点の曇りもなく究極のマンネリズムに彩と艶を与えています。正直、おなじみ過ぎるし似たような楽曲だし、ここ数作のアルバムとシャッフルされたら、何がなんだか分からなくなりますが、それがアクセルの世界観なんですね。今作は派手に飛ばす曲よりも、じっくりとメロディを聞かせる作風に終始しており(メロディの良さが手グセなフレージングも気にさせない)やや地味な印象を受けますが改めてアクセルのメロディメイカーとしての資質に触れることが出来ます。オリジナルを聴いたことがないので比較できませんがニール・ヤングのカヴァー⑨の泣きの世界観は本当に素晴らしいし、まさかのブラックモアズ・ナイトの⑫なんかも聴けて、アクセルの懐の深さを存分に味わえるでしょう。メロディアスな正統派HM/HRの旨味がギュッと凝縮された渾身の一枚、お試しあれですね

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