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Plagues of Babylon / ICED EARTH
火薬バカ一代 ★★ (2014-03-05 23:51:44)
それなりの歳月ICED EARTHの活動をフォローして来た身として、ジョン・シェイファー(G)の才能を疑ったことは一度としてありませんが、なればこそ不思議なんが、どうしてこの人はコンセプト・アルバムを作らせると収録楽曲が華に欠ける仕上がりになるんかなぁ?と。
テーマ練るのに時間を取られてしまうのか、はたまた、1曲毎ではなくアルバム全体の流れの中でドラマを構築しようとするからなのか・・・理由は色々考えられますが、本作に関して言えば、新加入のステュウ・ブロック(Vo)が、自己紹介代わりにロブ・ハルフォードばりのハイトーンからダンディな低音まで多彩な歌声を披露していた前作に対し、今回はケレンを排して、(ほぼ)中音域一本に絞った歌唱に徹していることも、この落ち着いた作風に少なからず影響を及ぼしている印象あり。
尤も、それでも彼の歌唱の雄々しさに疑問を挟む余地はなく、また頼れる相棒を得て益々意気盛んなジョンのクリエイトする楽曲も、1曲ずつ取り上げればそのクオリティは相変わらず無類(地味=退屈というわけではない)。荘厳な響きを湛えて闘魂迸る③⑥⑧や、男泣きの哀愁を背負った⑦⑪といった、ICED EARTH流パワー・メタルの真骨頂たる楽曲の数々には賛辞を惜しみませんよ。
共通したテーマを持つ前半6曲と、独立したメタル・ソングの後半6曲からなる構成ですが、通して聴くよりは上記した楽曲を摘み食い的に楽しみたい作品ですかね。

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