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Three Lions / Three Lions
ムッチー ★★★ (2014-04-09 23:16:52)
2014年にリリースされたデビューアルバム。全13曲で58分の作品。
元TEN・DARE(には復帰)のヴィニー・バーンズ(Gt)と、同じくDARE・TENで共演したグレッグ・モーガン(Dr)、
そしてナイジェル・ベイリー(Vo,Ba)で結成された、THREE LIONSが放った力作です。
期待した通りの、非常に良質でキャッチーなメロディアス・ハード・ロックで、直ぐに気に入りました。

このバンドは、2012年の10月に、Frontiers Recordsによって、
ヴィニーとグレッグにナイジェルが引き合わされ意気投合、そして結成されました。
昨年から既にライヴ活動は行なっており、この度、無事にアルバムリリースの運びとなったようです。
ちなみに、トリオ編成のバンドですが、キーボードも至る所で使われており、
プロデューサーのアレッサンドロ・デル・ヴェッキオとヴィニーが弾いています。

アルバムに収録された楽曲の中心は、爽やかなメロディック・ロックですが、
③"Twisted Soul"・⑥"Holy Water"・⑧"Kathmandu"・⑫"Hellfire Highway"のようなカッコいいHRもあり、
④"Winter Sun"・⑦"Two Hearts Beat As One"のような洗練されたバラードも大きな聴きどころです。
ありていに言ってしまえば、ズバリ全て良い曲ですね。これは嬉しい。

なんといっても、このアルバムのポイントは、久しぶりにシーンに復帰したヴィニーでしょう。
近年はDAREに再加入してライヴ活動をしたり、セッションワークを行なったりしていましたが、
フルアルバム製作となると、THE LADDERの1st以来、10年ぶりになるのではないでしょうか。
これだけの才能を持った実力派ギタリストが、このまま埋もれたままでいるのはあまりに勿体ない、
自分はそう強く思っていたので、今回のカムバックは非常に嬉しく感じました。
そして、相変わらず素晴らしいギタープレイとソングライティングで、さらに嬉しかったです。
太いギターサウンドで、小気味良く、且つ力強く刻まれるリフワーク、
それと、エモーショナルに、且つしっかりと構成されたギターソロ。
うん、リフにしてもソロにしても、良い意味で全然変わっていませんね。

ヴォーカルを務めたナイジェルも、見事な仕事をしてくれていますね。
ハスキーに、且つエモーショナルに歌い上げています。
ジョー・リン・ターナーやスティーヴ・ペリーにもよく似ていますね。
もちろん、その2人と比べてしまうと、特徴や歌い回しの幅には欠けますが、
これだけ頼もしい歌いっぷりを披露してくれたのだから、称賛に値すると思います。

楽曲の方向性としては、もちろん、TENに近いところもありますが、
そこまでのドラマティシズムや重厚さはなく、もう少しライトなノリで、
むしろ、ヴィニーが以前組んでいたBURNS BLUEでのスタイルに近いですね。
といっても、ヴィニーがメインで作曲したのだから当然ではありますが。
シンプルにまとめているのは良いのですが、あえて贅沢をいうならば、
素直すぎる気もするので、もう少し、凝った展開・アレンジにして、
ドラマティックにしてくれたなら、さらに自分の好みドンピシャだったかなぁ。

非常に良い作品なので、メロディアスな音楽を好む方にはぜひ聴いてもらいたいですね。
哀愁漂うブリティッシュ・ロック・スタイルを引き継ぐ、TENのファンは勿論のこととして、
落ち着いたメロディック・ロックの要素もあるので、JOURNEYなどのファンもきっと気に入るのでは。
あとは、3人にはこのバンドを絶対続けてほしいですね。2ndにも大いに期待したいです。

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