この曲を聴け! 

MoonKings / VANDENBERG'S MOONKINGS
H・W ★★ (2014-04-21 02:40:26)
「彼」が動き出したと友人から聞き、懐かしさもあって久しぶりにCD屋に足を運んだ。
いやもうこれが本当に久しぶりで、最近は音楽と向かい合うことも減って、心もすっかりガビガビになっていたかもしれないが、そんな僕をふと我に返らせる力があるねえ、あの頃のミュージシャンの名前には・・・。
ふとクレジットを見ると「Sailing Ships」の曲名があり、ああ、やっぱりあの曲は彼にとって思い入れの深い曲であったのだなあと妙に納得しながら家路についた。

さて、内容だが、
彼が再始動するとして、いきなり初期VANDENBERGの方向性は無いだろうと覚悟はしていたが、やっぱりサプライズは無かったようだ。かといってMANIC EDENほど土臭い感じかというとそうでもなく、うーん何というか、安直な表現で申し訳ないが、WHITESNAKEとLED ZEPPELINの名前は誰が聴いても挙がるだろうと、まあそういうアルバムだ。(聴く人が聴いたらTHE BLACK CROWSの名前も出るかもしれない。)
だが、特筆したいのは④とか⑦で魅せるストリングス絡みのメロディックでスローな曲で、ここでの表現力ばかりは、単純に前出のバンドとごちゃ混ぜで語るのもはばかられる。

エイドリアンのギターについては、90年代以降の彼らしく、深くて速いヴィブラート以外特に強い個性を感じさせない、非常に楽曲オリエンテッドなプレイであり、何も知らずに聴いた人は、まさかこのバンドにギタリストの個人名が冠されているとは思わないかもしれない。
替わって存在感を示しているのはヴォーカル。
歌メロはそのまんま、デヴィッド・カヴァーデイルだと思えるところが無視できないほどたくさんあるのだが、声質の魅力がある。ちょっとハスキーで、例えるなら、クラウス・マイネ味のふりかけを薄ーくかけたような感じで、個人的には大変好き。
こういう感じはいつか昔に味わったことがあるぞ、と思ったら、ディオに対するトニー・マーティンの時だった。

最後に、やっぱり気になる「Sailing Ships」。
長い長いインターバルを経て、ようやく作曲者の意図通りの形で録音されたこの曲、
僕らが待ちわびた「正しい姿」であるはずで、確かに文句のつけようのない佳曲ではある。あるのだが、正直、こうやって聴いてみると、いや、ヴァイのアレンジも捨てがたいじゃないか、と思えてしまった。
こうなると、Slip Of The Tongueの他の曲も俄然興味がわいてきた。
あのアルバムはエイドリアンにとって、心残りな記憶なのだと思うので、ここはもういっちょ、Wings Of The Stormもお願いしたいところである。

・・久しぶりのことで意気込みすぎて長文になってしまったが、最後まで読んでくれた人がいたら、ありがとうございました。イロイロ理屈捏ねてますけど、良いアルバムだと思うので、買ってみてくださいw

→同意