この曲を聴け!
Twilight Time / STRATOVARIUS
RIOT1970 ★★★ (2014-05-17 01:53:28)
あれは1993年の12月の深夜東京で珍しく雪のしんしんと降り積もる深夜だった。
僕は、20歳そこそこの、世の中の事を何も知らない青年だった。
大学を中退して、今にして思えばモラトリアムを享受している真っ最中だった。
金も無い、仕事も無い、あるのはHR/HMに対する憧憬だけだった。
「将来、HR/HMのジャケットのイラストを描いて生活していくんだ!」
と唯、それだけの夢で生きていけた。そんな少し遅れた、これが、今に思えば
青春時代だったのかも知れない。
今、このアルバムを聴いていると、この頃の情景が鮮烈に蘇る。
僕はHR/HMのジャケットのイラストをを参考にしながらアクリル絵の具で
メタルのアートワークに相応しいイラストを描いていて、
休憩時間にふと外を見ると雪が降っていて、タバコを吸っていた。
この頃良く聴いていたのがこのアルバムである。
今聴くと大ティモのVoの線の細さが気になるし、楽曲も詰めが甘い、
サウンドプロダクションも如何にもB級の安っぽいアルバムだった。
が、当時若かった私にこのアルバムと、深夜の雪の静寂、
そして、コーヒーとタバコ、このシチュエーションが見事に僕の心の
情景を映し出していて、何とも言えない甘くてほろ苦い思いが
こみ上げて来たものだった。
やはり、北欧のバンドの音楽は深夜に雪が降っている環境に見事に
フィットしている。
それから約20年経とうとしている、今現在に聞くとあの時の甘くてほろ苦い
情景が脳裏を過るのだ。
ああ、当時のこのアルバム、深夜の東京の雪、コーヒー、タバコ、
これらの要素が組み合わさて今聴いても甘く、ほろ苦いおもいに浸れます。
今聴いてもね。
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