この曲を聴け! 

Wish You Were Here / PINK FLOYD
チョッパー ★★ (2005-03-12 00:28:00)
フロイドの作品中最もわかりやすく、親しみやすい。ポイントは二つある。
ひとつはレコード会社の移籍だ。
これの前作は例の「狂気」。この後の作品と言う事で、製作は困難を極めた。
既製の楽器を使わずにアルバムを作るというアイディアが出され、ゴムやビン等を使い実際数曲が録音され、
タイトルまでも決まっていた。これが一変、今まで通りの楽器で作品が作られたのはやり方そのものの限界も
あったろうが、レコード会社の意向もあったはずだ。あの「狂気」の次作、しかも移籍したばかりのバンドには
当然セールス至上命令があったはずだ。既製の楽器を使わないやり方ではあまりにもコマーシャル性に欠けるとの
判断もあったのではないか?フロイドが折れたというよりは「どうもうまくいかないし、会社はああいうし・・」
と思ったのだろう。あくまで推測だが・・
ふたつめは「クレイジー・ダイヤモンド」を二つに分けた事だ。
「原子心母」や「おせっかい」のようにいままで通り、片面を埋め尽くすともう片面がオマケのように思われてしまう。
そこで前半後半に分け最初と最後にもって行き、間に3曲をサンドイッチすると言う手法でアルバムに一種の統一感
を持たせると同時にフロイド得意の効果音で曲を繋げ「意味ありげ」にしている。「葉巻」からタイトルナンバー
に続く部分はフロイド史におけるハイライトのひとつだ。それにしても世界中からクレームになりかねないこの部分
をあえてこのままにしたCBSには感動する。そういう時代だったのだろう。(私も初めて聴いた時はプレーヤーがおかしく
なったのかと思った)
歌詞はよりストレートで具体的になり辛辣になった。メロもキャッチ-だ。特に「ダイヤモンド」の歌メロキャッチ-差は
フロイド史上屈指のものだ。初めてフロイドに触れる人に問題なく薦められる。

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