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State of Mind / ELEGY
火薬バカ一代 ★★★ (2014-06-07 23:22:09)
「VANDENBERG以来の衝撃」との高評価と共に、日本デビューを飾ったダッチ・メタル・バンドの最高傑作と謳われる、'97年発表の4thアルバム。
本作より、当時マニアの間で知る人ぞ知る存在だった実力派シンガー、イアン・パリー(Vo)が加入。前任者との「リーグの違い」(ニール・ショーン的表現)を実証するその歌唱力のレベルは、壮大な序曲①に続く②の冒頭部分における歌声を数秒間耳にしただけでも明らか。
前Voのエドワード・ホーヴィンガも決して下手なシンガーじゃありませんでしたが、パワー/色艶/表現力を兼ね備えたパリーの声を得たことで、従来のテクニカルに駆け巡るQUEENSRYCHE型HMサウンドが一気に垢抜け、よりダイナミックに、よりドラマティックにスケールアップ(クサ味は少々薄れたかな?)。然るべきバンドが、然るべきタイミングで、然るべき人物を加入させた結果成し遂げられた飛躍的成長の跡が、しかと刻まれた名盤に仕上がっています。
ただ一点惜しまれるのは、アルバムのヤマとなるキメ曲の不在で、例えば③や⑤は文句なしで大好きな楽曲なのですが、今にして思えば、ファン以外からも「ELEGYと言えばこの曲!」と認知されるような、強力な代表曲を終ぞ生み出し得なかったことが、このバンドが大ブレイクを果たせぬまま解散してしまった一因にも挙げられるのかなぁ?と、今にして思ったりも。

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