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久々にサッカーの話題
失恋船長 (2014-06-19 17:07:20)
初戦先制したにも関わらず敗戦は残念な結果に終わりました。今までのスタイルを貫かなかったことが全てですから、次は是非とも4年間の集大成を見せてほしいものです。今大会は日本代表が初めて攻撃的なサッカーを掲げ挑む記念すべき大会になるわけです。懐かしいトルシエ時代は「フラットスリー」というスタイルを提唱(3-5-2左のサイドを下げて4バック気味になる事も流れの中では多用していた)ディフェンスラインを上げ中盤に守備的な選手を起用し数的有利を守り攻撃に転ずる、特にフォーメーションを重視し約束事の多いサッカーを行っていました。オシムジャパンは4バックではあったが両サイドの攻撃参加も多く走って走って走りまくるサッカーを行い、人も動くしボールも動く、豊富な運動量が多彩な戦術をもたらし常に優位に立つサッカーを目指していました。攻守ともにポゼッションで行い、早いパス回しを駆使し果敢に攻め上がる姿は実に爽快でしたね。センスと適性のあるメンバーも探りながら固定化を図り精度を高めようとする姿も指導者としてあるべき姿があったように思います。トルシエ→ジーコ→オシム→岡田→ザッケローニと日本が目指すサッカーはどこにあるのか?系譜を辿らない監督選考に疑問がありましたが今回は、オシムからザッケローニの流れは少し繋がっているように感じております。賛否有れど拘りの選手起用を貫き自らが墓標とする戦術を貫く姿勢にこそ、明日への道もあると思います。大いに期待の持てる監督でしょう。その監督が初戦でパワープレイとは驚かされました。それなら豊田にハーフナー・マイク連れて行けばよかったのにね。

前回のW杯は結果的に一次予選突破でしたが、その戦術はそれまでの四年間をほぼ否定する内容だったことを覚えています。始まる前の岡田監督への不評たるや、テストマッチでも負けまくり、見事にオシムからの引き継ぎミスを露呈、岡田監督はつくづく貧乏くじを引かされる気の毒な苦労人に映り同情をしたものです。その悪評の中で開き直り彼の取った戦術が本田の0.5列目、一応はFW扱いですが今までやったことのないフォーメーション、キーパーはそれまで幾度試合に出ていない川島の抜擢。内容はどうあれ岡田監督は見事に2勝を挙げ予選突破。堅く守り両ウィングの殺人的な運動量と本田に託す弱者のサッカーへ転じ結果を出せばいいんだろうという開き直りのサッカーを行い勝ったのですがこのスタイルで何を生み出したいのか疑問が残る後世に引き継がれない結果だけの試合を見せつけられたファンとしては厳しい思い出です(TVの放映・視聴率・キリンの株価とサッカー協会が関わる大人の事情が最優先なのかな?ジーコで大失敗の後だからね)。岡田監督は相当、追い詰められ方向転換して、閃きの新スタイルを導入したんだすかね。一番凄いのはそれに合わせて試合を運んだ選手たちです、結束力の凄さに敬意を払いますね。日本は弱いだから攻撃的なサッカーは向いていない、そういう論調を良く聴きます。オシムのようにサイドが上がれば裏にパス一発のカウンターに対応しきれない、コンパクトに攻めても、相手に深く守られたら単調なパス回しに終わる。個人技で打開出来ない日本人のレベルでは無理な戦術と取れるのかもしれません。だからこそザッケローニは終始、沢山の人数を掛け攻撃に拘るサッカーを展開しています。

それはコンフェデ杯のブラジル戦のように日本は、強国にやられるでしょう。今回は予選突破も難しいでしょう。前かがりで攻め上げたあとに、カウンターを喰らい豪快なミドルシュートが決まるシーンが目に浮かびます。背の高い選手が多いギリシャにセットプレーからの失点シーンも目に浮かびます。コロンビアには4,5点とられそうな予感がして悲しい気持ちにすらなります。それこそ3戦全敗の予感が漂っています。でも国際舞台の大一番で日本が初めて攻撃的な布陣で挑み、自らの形をもちいり攻め上がるのです。岡田監督が提唱した、相手の良さを消しチャンスを伺うスタイルではない。自ら主導権を奪いに行き敵陣を崩し突破する果敢な攻めを見せてくれるのです(何度パンチをもらってもガードを下げずに戦う矢吹丈の方が熱くなるし泥臭い男の生き様です)この姿を想像するだけでゾクゾクさせられるし年甲斐もなく熱い声援を送りたくなるのです。日本代表が数的有利を作り出しゴールマウスに多くの人数を掛け攻撃に転ずる、カットされ裏に一本入れられ抜かれたら仕方ないよね、でも戦うために前に出ますよ。こんなサッカーをやってくれたことがない。チマチマ自陣のゴール前に人数を重ねて守り、結局1点入れられ敗戦、スコアの上では残念ですが、内容は無念。そんなサッカーが自国のスタイルなんて、なんぼ卑屈になり見下されているのか、今までのサッカーでは諸外国からのリスペクトも得られないからユニフォームの交換すらしてもらえない。もう見飽きた光景は御免ですね。だいだいが90分ゴール前に人数を掛けて守ってもブラジル代表のフッキの突破を止められるのか?スピードがあってフィジカルの強すぎる外国人相手に取るべき戦術とは、今まで通りゾーンで守り、早い段階でプレスを掛け攻め手を早い段階で摘み優位に立たないと列強に通用しないでしょう。そこをいち早く見抜き、協会もザッケローニを選出し外野の声を封印し4年間指揮をとらせた功績は大きい。

キープ力の高い大迫や柿谷、デフェンダーよりも屈強な守りでも貢献するザックジャパンの生命線岡崎、スピードもなく守備力にも疑問を持たれますが、恐れることなくラインを上げ自らも果敢に攻め上がる吉田。
攻撃を念頭に置いているから青山や山口のようなボランチを見定めたザッケローニの目利きの高さ、今後の日本の財産になりえる本田を中心として作り上げたザッケローニの戦術に私は猛烈に引き寄せられます。本選前の2試合で見せた攻撃の形、完璧とは言いませんが、守備の選手森重があの位置まで上がりセンタリングを上げる、果敢な攻撃参加、青山からのパス一本で大久保に繋がる連携とカウンター一本槍ならこういった結果は生まれなかったでしょう。供に日本代表が前半から豊富な運動量を活かした攻撃参加を繰り返すことにより敵の選手は運動量も落ち追いつけなかった事が得点につながったのが一番大きいのです。縦パス一本のカウンターサッカーなら日本代表がいいだけボールを回され運動量を落としていたでしょうね。
初戦では見事にそれをやりませんでしたが、本田が決めたシュートは素晴らしいものでした、フィジカルの強さがバランスを崩さずにあの体勢からシュート、キーパの逆を突く狭いコースに狙った技術の高さと、もともとは攻撃的な選手ではなかった男が行き着いたプレースタイル、その歴史を考えると神々しいまでに泥臭い苦労を重ねた男の雄姿に胸が熱くなりましたね。



話はそれますが私は、アマチュア競技の祭典オリンピックが苦手です。過度の盛りまくった報道、実力を客観的に示さない煽りが苦手です。近いところでは浅田真央ちゃんの金メダルとれるでしょう加熱報道など、非国民といわれようが私は冷ややかでした。結論から言えば彼女は初日何点とったら金メダルだったの?ロシアの娘やキムヨナちゃんに初日転ばなかったら勝てたのか?(荒川静香のイナバウワー、金取る前に誰もおしえてくれなかっぞ)私には過度の期待でつぶされた真央ちゃんとしか映らなかった。もしも真央ちゃんがミスをせず中途半端な4位とかだったら世論はどうなるのか?逆に興味津々でしたよ。高梨沙羅ちゃんは、オリンピック後の進路は決まっていたが、それに伴い現コーチは職を失うらしい。そんな状況下で金を取るのは大変だったでしょう。こんなことが夏と冬を交えると2年に1回起こるから始末が悪い。

もうひとつ、甲子園も苦手です。血と汗と涙、青春、友情の押し売りをするメディアが苦手。選手はそんなに純粋なのか?ダルビッシュや、北海道に深紅の旗を持ってきてくれた田中マー君が甲子園をどのよういにとらえていたのか?トーナメント戦の結果に一喜一憂する姿をどのように見ていたのか?彼らに取ってハッキリ言えば通過点にしか過ぎない、プロで活躍を目指して野球をやっていただろうし、大リーグが身近になったいま、もっと上を目指していた可能性もあるわけです。志の違いは微妙な違和感を生み感動の度合いも個々人違うでしょう。チームですが抜きんでた選手は終始妬まれ群れを成しても孤独を味わうものでしょうね。古い話ですが松井の敬遠は高校生らしくない、高校生なんだから卑怯だ、正々堂々勝負しろ、私から言わせれば受け入れられない論理でした。それこそ血と汗と涙、青春、友情でしょう、勝ちたいんだからルールにあるんだからね。負けたらお終いの大会ですよ。それこそ今までの努力が、沢山の声援を無に帰すのでは?必ず出てくるのが敬遠と言う勝負を避けて勝っても素直に喜べない、そんなチームは応援したくない。寝ぼけた外野の理念、出たくとも出てなかった補欠の気持ちは?この大会に掛ける思いはどんな事をしても勝ちたいと思わなかったら、苦しい練習なんて出来ない、勝負したい投手の気持ちを考えると面白半分の性善説で語るべきことか、何を言ってんだ、松井以外で勝てない星稜の力不足を議論するべき、正々堂々とは?と個人的には憤りすら感じます。(PL対横浜のドキュメンタリー番組は面白かった。両監督の采配がいかに緻密なデータをもとに構成されているかが分かると高校野球の薄っぺらい青春ドラマでは語れなくなります)


話はだいぶそれましたが何が言いたかったのかと申しますと、目標の違いです。
今の日本代表はW杯に出る事は通過点、一次予選も通過点、日本人ならではの意思疎通の計り、フォーメーションを高め、その中で場面場面における個の力を磨き、全員で攻め、全員で守るポゼッションサッカーを極めようとしています。今やブンデスリーガで活躍する日本人は2.3人ではない。日本代表のユニフォームに袖を通すのは栄誉であり偉大な事は当然ですが、そんな事だけに満足をしない。強国と比肩しても恥ずかしくない高い戦術を誇りサッカー後進国の我が日本が世界の列強に認めてもらえる(前回のような格下アジア代表だから攻めませんと言う世界から共感されない戦術じゃない)重要な大会となることに胸が躍りますね。

確かに予選敗退に三連敗は厳しい結果でしょうが、何もしないで負けるよりはよっぽど良い。負ければ言われることも察しがつきます。前かがりになりすぎて守備の意識の低さが失点を招いた。セットプレーでやられたら背の高い選手を選らばなった選手選考に問題あり、ザッケローニ監督の采配ミス、本田中心のチーム構成、メンバーを固定しすぎたオプションの無さなどやり玉に挙げられるのでしょうが、勝てば全てが間逆になるからね。サッカーがもっと身近に発展させるには、誰がシュートを決めた、誰がシュートも止めたという分かりやすい見出しになる事を議論されるよりも、サイドバックの攻防、危険なカウンターを喰らうチャンスをつぶし続けた中盤の選手たち、恐れずにラインをコントロールしたディフェンス、フィジカルの強さ、球際のプレーの質、勝ち負けも勿論重要ですが、質を問うようになれば見方も変わるように思います、野球も本当は全体の中で流れがあるのですが、どちらかと言えば将棋やチェスのように点の勝負で議論出来ます。サッカーはその点、流れの中で起こる駆け引きがモノを言いますから、見た目の分かりづらさがあるのは馴染みずらい点ではあるのでしょうね。議論の仕方も流れだと難しい、甘い球を投げたから打たれたとか、エラーしたとか、三振したとか、150キロでたとか分かりやすいからね。その目線だとやっぱり、分かりやすい見出しがないとシックリこない、誰が今野の献身的なサポートがMVPとかシュートはなかったけど山口の攻撃参加が大きかったなんて見出しを書いても共感されないもんね。それなら川島ミラクルセーブに本田奇跡の無回転シュートの方が分かりやすいもん。職場を取り仕切るオッサン達の会話も弾ませないといけないし、そりゃ、真央ちゃん二日目最高、感動したの方が共感出来るし職場の雰囲気良くなるもんなぁ。そりゃあり得ないミスを連発し誤ったデータの論文を発表しても研究に成功していたなら良いのではという論調も通るわなぁ。

ダラダラと書きましたがサッカーは点を取るスポーツ、いくら日本が専守防衛だからってサッカーまで憲法九条じゃシャレにならない。
今大会の結果だけに一喜一憂するのではなく内容を精査できる環境が生まれれば変わるような気がします。
個人的には今大会から日本サッカーの新たなる歴史がスタートすると思っています。もうサッカー後進国ではない”負けて勝つ”サッカーが出来る自国のスタイルを掲げた第一歩にしてもらいたいですね。フィジカルの劣る日本人が取るべき戦術のヒントをオシムとザッケローニは教えてくれました、一次予選突破なら岡田さんと同じ戦術で行けば今回も高い確率でイケたでしょう。勝った万歳!内容を吟味しない報道は前回、散々見せられたのでもう充分です。そこに意味があるのか?それだけにギリシャ戦の戦い方は今後に大きな影を落としそうです

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