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コープスパーティー ブラッドカバー
Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-07-03 21:16:02)
私はPSP版(2010年発売)が約1000円でダウンロード出来るキャンペーンがやっていたので、そちらを購入したんですが、実は96年が初出の作品だったんですね。結構メディアミックスとかもされているみたいなので、もっと最近だと思ってましたが…確かに、携帯電話とかの描写が一昔前って感じだったかも。

個人的な評価としては、確かに怖くて面白くはあるけど、若干…というか大分不親切さも残るゲーム、という感じですね。システム上、シナリオ前半の行動が元で後半にバッドエンドを迎える可能性もあるのに、クイックセーブ/クイックロードが無いのは正直快適とは言いがたい。文章スキップすらないので明らかに既知バッドエンドを迎える事が分かってもすぐにはリトライ出来ません(苦笑)。逆にこれらの機能と、探索時のダッシュが実装されていれば名作として扱われてもおかしくないと思います。

このゲーム、恐怖を感じさせるための演出がやたら凝ってるんですよね。異空間からの脱出を目指し、廃校内を探索し手がかりを集めていくゲームですが、至る所に「何か」があったと思わせる痕跡があるのが怖い。例えば洗面台に抜け落ちた歯が、歯肉が付いた状態で散らばっていたり、トイレの便器に大量の血がぶちまけてあったり…。こういうの、寝る前とかに思い出すと、頭が勝手にそこに至るまでのストーリーを妄想して、悪夢見そうになるんですよね…。ストーリー上、首吊りや目を抉られる、内臓をぶちまけて死ぬなど直接的なグロもあるんですが、実は本当に怖いのはこういう小さい描写の積み重ねだと思う。性質悪いです(笑)。

更に怖さに拍車を掛けているのが、キャストの熱演…というか怪演振りですね。ゲームの性質上、キャラクターが殺されたり正気を失ったりする展開が多いんですが、演技が真に迫ってるせいで思わず飛ばしたくなる怖さ(笑)。バッドエンドで生き埋めにされる展開とか、マジで埋め殺されてそうな声出してるんですが…。某霊媒体質の少女がパーティーから外れた時なんて、「ああ、これ絶対ヤバい反応返ってくるけど、話しかけないとストーリー進まないんだよな…」とかビビります(笑)。これ、やった人なら分かってくれるはず。

他のレビューなどを読むとストーリーが絶賛されてますが、個人的にはホラーとして楽しめはしたけど、目から鱗が落ちるほどではなかったかな…という印象。むしろメインストーリー自体よりも、極限状態に置かれた人間のドラマが非常に面白かったですね。不安から、些細な事でも仲違いを起こしてしまったり、精神の安定を求めて異常な行動を示したり、隠し持っていた生来の凶暴性が異常に亢進したり…。勿論そんなマイナス面だけじゃなく、絶望的な状況下での献身や、立ち向かう勇気など熱い部分もあって、非日常ならではのドラマティックさが演出されています。

ただ、やはりストレスの溜まる仕様もあるので、万人にお勧めとは言えないですね。元が古いゲームとはいえ、移植時にどうとでも出来たはずなので。ぶっちゃけフルプライスで購入してこのゲーム性なら高く感じてたと思います(笑)。1000円ちょっとだったので、まあ値段以上は楽しめましたが…。あと個人的に微妙に納得行かないのは、青の幽霊は安全、赤の幽霊は危険…みたいに言われてたのに、大抵青く発光する幽霊がバッドエンドの原因な事ですね(笑)。一体なんなんでしょう、このミスリード…。

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