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Strażnik Światła / TURBO
失恋船長 ★★★ (2014-07-05 13:11:21)
ポーランドが生んだ伝説のHM/HRバンドであるターボが満を持して2009年にリリースされたアルバム。ボーカルが黄金時代を支え再結成時にも看板を掲げたGrzegorz KupczykさんからTomasz Struszczykさんへと変更、これがかなりの逸材で前任者にもひけをとらないどころか若々しく艶やかな歌声を披露、看板シンガー交代劇のピンチを難なく乗り越えています。もともとターボは時流に合わせ音楽性を変えてきたのでシンガー交代による変貌もあるかもと聴く前は不安だったのですが前作の流れを更にトラディショナルな方向へと舵を切り、今まで以上に叙情的なメロディが飛び出し哀愁と迸るメタル魂が激しくぶつかり合い、アコギのパートなども盛り込みエピカルなドラマ性を扇動しています。特に中盤の流れは組み曲のようでもあり、通して聴くとコンセプトアルバム的な作風のように聞こえ、円熟味を増したプレイと楽曲に隙はなく一定の緊張感を保ちながら最後まで安心して身を任せる事が出来ますね。トラディショナルなHM/HRの復権も目覚ましい昨今ですが、彼らも後押しされるように自らが切り開いた正統派サウンドへと回帰しております。ポーランドと言えば今やデスメタルですが、シーンを切り開いたのはターボのような正統派メタルだった事を再認識させてくれる充実の一枚、老いてますます盛んなリードギターの情念たっぷりなメタルギターに唸らされますね。

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