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Killbox 13 / OVERKILL
火薬バカ一代 (2014-07-06 23:23:24)
新旧の作風に上手いこと折り合いをつけ、いよいよパワー/スラッシュ路線への帰還を予感させた前作『BLOODLETING』に比べ、ブリッツの脳卒中という一大事を乗り越えて'03年に発表された本13thアルバムは、コリン・リチャードソン(共同プロデューサー)謹製の重たく湿った音作りと、再びツインGを擁する5人編成へと戻った強みを生かして、重厚極まるOPナンバーのイントロから早々に聴き手を圧殺にかかる、スピードよりも下っ腹にズンズン響くへヴィネス重視の作風です。
しかしながらこれは失望には当たらず。ここ数作での試行錯誤を糧に鍛え上げられた楽曲は、激重ナンバーだろうが、横ノリのグルーヴ・ソングだろうが、飽くまでソリッド且つタイトに彼ららしく料理されており、そこに流行バンドからの影響が入り込む余地はありません。
戦車の進撃を思わす迫力の①、BLACK SABBATHばりに地を這う雄々しく劇的な③、D.D.ヴァーニの独特なBが腰に来る⑦といった強靭な楽曲群は、OVERKILL流へヴィ・ロック路線が本作をもって高いレベルで具現化したことを高らかに宣言しています。
音楽活動中に道に迷うバンドは数あれど、迷った先で、その音楽性を徹底的に突き詰められるバンドはそうはいません。また、彼らもここまでやり切ったからこそ、次作以降、躊躇なくスラッシュ・メタル路線へと復帰することが出来たのではないかな、と。

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