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Shogunate Macabre / Whispered
火薬バカ一代 ★★★ (2014-08-01 00:08:04)
歌舞伎メイクを施したメンバーの出で立ちや、日本の歴史/伝承を取り扱った歌詞を見ていると、一足先に日本デビューを飾ったイタリアのHOLY MATYRのことを思い出しますが、あちらが飽くまでベーシックなパワー・メタル・サウンドの上に立脚し、和風メロディはアクセント的な扱いだったのに比べ、こっちは琴や三味線、和音階をガンガン取り入れて、日本語の台詞でスタートするOPナンバーから、バンドのルーツを物語るアニメ『銀牙 -流れ星 銀-』の主題歌のカヴァーまで、もう全編和風メロディの雨アラレ。⑥なんてタイトルが“KAPPA”ですよ。これに失笑を漏らす人もいるでしょうが、(ホラー映画ばりの歌詞に反して)ジャジーなパートも組み込んだ曲調はどこかコミカルで、日本人が持つ河童のイメージとピタリ一致。こうした「色物」と受け止められかねないジャパネスクな題材とも真摯に向き合うバンドの姿勢には好感を持たずにはいられません。
特に「お祭りメタル」とでも評したくなる高揚感に満ち溢れた②や、シンフォニックなアレンジを纏って猛然と突進する③、雪女の物語を題材に取り上げ、激しくも悲哀に満ちたメロディが涙を誘う⑥といった楽曲は、「MELODIC DEATH METAL WITH JAPANESE FOLK ELEMENT」を標榜する彼らの真骨頂というべき名曲。
「初期陰陽座をもっと過剰にして、デス・メタルのエレメントとシンフォニックなKeyを加えた感じ」との説明(大掴みですが)にびびっと来たらお薦めの1枚。

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