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Menace to Society / LIZZY BORDEN
失恋船長 ★★★ (2014-08-05 13:36:35)
欧州産の泣きを散りばめたメタリックな美旋律とアメイカンなコマーシャル性を配した1986年リリースの2nd。前作よりもメジャー感が増しアメリカンな要素とヨーロピアンテイストが激しく融合し独特の緊張感が生み出され攻撃的でメロディアスな楽曲との相性も良くオリジナルティを発揮している。特筆すべきは叙情的で泣きを発散するツインリードの旨味とリジーさんの個性丸出しのハイトーンは今作もキレまくっており、高い表現力を有するミュージシャンが集うバンドが魅せるレベルの高さを痛感させられるものです。
全般的なスケールアップはいい意味でメジャー感が増量されているが、ショックロック路線をひた走るオカルト的なダークさもしっかりと補足されており雰囲気を壊さないのも、彼らの魅力の一つでしょう。しっかりとしたコンセプトの元、筋の通った今作は正統派を愛する方には十分に訴えるものがあるかと思います。やっぱりメロディの良さは重要でしょうね。音楽的な面よりも臓物飛び出し血へども溢れ、生首片手にモデルを斧で惨殺みたいなショーLIVEにキャラが立ち過ぎてシリアスになり切れない面もあるのでしょうが、イメージを強く押し出しキャラを生かした作風に仕上げ、重すぎず、軽すぎないコマーシャル性とメタルなイメージから外れない音作りに、やはり知性を感じますね。技巧に走り過ぎず頭でっかちにならない聴きやすさと王道感は素晴らしいです。個性では1stに劣るかもしれませんが媚を売らない大衆性ならこちらが上でしょうね。

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