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Ma Plus Douce Vermine / LES CHANTS DE NIHIL
Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-08-05 20:50:13)
2009年発表の4曲入りEP。
と言っても一曲が長く、トータルの演奏時間は50分を超え、ほぼフルアルバムと言っていい内容。
作風としては、スローテンポを基調にノイジーなリフ、ネガティビティに満ちたメロディ、喉が張り裂けるような絶叫ヴォーカルと、鬱系の用件を満たした陰鬱なブラックメタル。ただ、このバンドはチャーチオルガン系やアトモスフェリック系のキーボードを多用し、アンビエンス重視の指向も持っていて、抑鬱的な感情をそのまま描くというよりも、頽廃的なアートを演出しているような感覚が強いです。
…もちろん、頽廃アートな雰囲気は十二分に醸し出せており、そういう音源としては申し分ない出来だと思うんですが…鬱ブラックのレビューで言うのも何なんですが、2曲目のタイトルトラックのトレモロ・疾走パートが余りにもかっこいいんですよね(笑)。このバンドの持つ頽廃芸術っぽい雰囲気が、ブラックの典型的な様式であるトレモロ疾走と合わさると、個人的には悶絶モノ。ぶっちゃけ、このバンドがスローなパートを中心で楽曲を作っていることを勿体なく思うくらいです(苦笑)。
バンド名はフランス語で「虚無の歌」でしょうか。そのかっこいい名前に惹かれて購入しましたが、名前負けしないセンスの良さがある音源だと思います。ただ、全編疾走にするのは本末転倒にしても、もう少し疾走パートがあっても良かったという気はします。
→同意