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Redeemer of Souls / JUDAS PRIEST
夢想家・I ★★ (2014-08-10 01:43:14)
'14年発表の17thアルバムです。
邦題「贖罪の化身」
私はPRIESTの大ファンで、「ANGEL OF RETRIBUTION」や「NOSTRADAMUS」も絶賛したクチですが(笑)、今回のアルバムに関しては "困惑" というのが正直な感想です。
ハイトーンVo&ツイン・ギター編成の正統派HMバンドが世に掃いて捨てる程いる中で彼等に感じる特別な何か、私にとってそれはそこらのバンドには容易に出し得ないブリティッシュHMらしいたたずまいがサウンドに表れている点だと感じていました。
しかし個人的に本作からは、それを感じる事が出来なかった…。
何をブリティッシュHMとするかは曖昧で解釈にも個人差があると思いますが、私としてはやはり "BLACK SABBATHを通過したサウンド" ということになります。
具体的にはリフの質感の変化が挙げられます。元来PRIESTのリフは '70年代HRっぽさの残るややモッサリとした、タメを効かせた重々しい刻みが特徴で、個人的にそこに魅力を感じていましたが、本作でのリフは刻みが細かくシャープな反面、腹にズシッと来る重さがあまり感じられません、あとギター・ソロがあまり印象に残らない点も気になりました。
それらが原因で私にはどうしてもフォロワーのバンド、HALFORDや欧州のパワー・メタル・バンドのように聴こえてしまい、そこが喉に引っ掛かった小骨のように気になって仕方ありません。
リッパー時代の作品もロブ復帰後の二枚にも、そう感じた事は無かったんですが…。

PRIESTがこの先アルバムを作る事があるかどうかは判りませんが、ロブはHALFORDとの活動を並行して継続していくでしょうから、今後この二つの差別化をどのように図っていくかが重要な課題になってくるのではないでしょうか。

勿論メンバー・チェンジが変化をもたらす可能性は想定していましたし、それなりに覚悟もしていたつもりでしたが、いざ新作に接してみると改めてK.K・ダウニングの存在の大きさを痛感せざるをえません。
これだけだとリッチー・フォークナーを暗に批判しているようにとられそうですが、彼は悪くありません、普通ならK.Kが脱退した時点で終わりですし、EPITAPHツアーでも単なる代役以上の活躍を見せてくれました。
銘菓ひよこさんのおっしゃるとおり曲のクォリティーも水準以上ですし(なぜか本編よりもボーナスDISCの方に良い曲が多い気がするのが謎ですが 笑)、ライヴで観れば印象が良くなりそうな気もします。しかしそれだけに彼等がもうツアーをやらない(LOUD PARKとかあたりだったら来てくれそうですが)という事にもどかしさが募ります。

以上、PRIESTらしさに対する個人的なこだわりとのギャップから生まれた "困惑" についてでした。
恐らく私の感想はマニアック過ぎてあまり共感されないでしょうね(笑)。

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