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マスカレード・イブ / 東野圭吾
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-08-23 22:55:03)
一昨日(2014/8/21)に発売された新刊。
発売日に買って速攻で読みました.
先日文庫にもなった「マスカレード・ホテル」の主人公であるホテルクラークの山岸尚美と、刑事の新田浩介が主役の短編を4本収録した、オムニバス形式の作品。タイトル作品は主人公二人の直接の絡みこそないものの、二つの視点で事件を見る形でなかなかにスリリング。前作の内容に直接繋がるのはエピローグくらいなので、先にこっちを読むのもそれはそれでアリかも。
…やっぱり東野圭吾さんの作品って、安定して面白いですよね。特に今作は短編集という事もあって、長編よりも語り口が軽妙で、それがエンターテイメント性をより強めてますね。「それぞれの仮面」における主人公と相談者のボケと突っ込み的なやりとり(山岸「(私は藁かよ)」)といい、「マスカレード・イブ」の狼狽しまくる容疑者といい、長編時にはあまりみられない、コミカルな描写が楽しいです。
今回はそういう作風もあってか、登場人物もやたらキャラが立ってますよね。ヤクザ顔負けの強面警官の本宮とか、悪を懲らしめるヒロインに憧れて警官になった穂積とかは漫画にしても良いキャラになりそう。また両主人公にしても、前作よりも若いせいもあり、仕事上で壁にぶつかったりしているんですが、その様がまた新しい魅力を引き出しているんですよね。
ほんと、読んでて単純に楽しい小説だと思います。買ってきて読み始めて、そのままエピローグまで休まず読んでしまいましたもん(笑)。この読者を掴んで話さないリーダビリティこそ、エンターテイメントなのではないでしょうか。
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