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Æon Vmbra Genesis / THE LAST KNELL
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-09-18 20:51:22)
2011年発表の1st。

南米のブラックってオールドスクールなバンドが多い印象で、このバンドも少々プリミティブ的なRawさはありつつも、基本オールドスクールなブラックを演っているんですが…このバンドの音は、その「オールドスクールさ」が、凄く丁度良い按配なんですよね。昔ながらのブラックメタルのスタイルであることは間違いないんですが、MAYHEMの「De Mysteriis~」やGORGOROTHの初期作など、黎明期でもスラッシュと完全に分化され、固有のジャンルを築き上げつつあった時期のシーンの音に近い作風。

極端なノイジーさや反復だったり、過度なメロディアスさやブルータリティだったりに頼ることなく、ひたすらにブラックど真ん中の音を浴びせていく様はストイックさすら感じるほど。ただ、完全に黎明期ブラックの作風をなぞったという訳ではなく、カオティックなリフ捌きがあったり、ドスの効いた黒々しいムードだったり、WATAINやDEATHSPELL OMEGAが登場して以降、波及していったどす黒い瘴気漂う雰囲気も感じられる辺り、今風という所でしょうか。

ブラックメタルのジャンルの王道的な作風で、邪気や神秘性の濃さも十分。ブラックが好きであれば抗いがたい魅力のある音。派手ではないものの、かなり良い作品だと思います。

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