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Suicidology / AVERSION TO MANKIND
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-09-26 22:37:25)
元は2013年にデータで発表されていた1stアルバムの音源を、日本のレーベルであるMaa ProductionsがCD化して2014年にリリースしたものらしいですね。Maa盤には以前にリリースされたEP「Apotheosis」が丸々ボーナスで入っており、かなりお得。
一言で言うなら、閉塞感特化型のディプレッシブブラック。楽曲はバラエティに富んでおり、どす黒いエネルギーで塗り潰すかのごとき、低音も効いたリフが息の詰まるような感覚を演出しつつ、ブラストも使用し攻撃的な印象の「Shrouded in Thorns」が動の閉塞感を描いてるとしたら、歪みの少ないサウンドで、アルペジオの残響音が空虚に響く「Tripolarity」は静の閉塞感を描いている、とでも言えそう。
凶暴なバンドサウンドを挟む、澱んだアルペジオが凄まじく印象的なタイトル曲を始め、曲展開のパターンは少なくないんですが、どのパートを聴いても打破できない絶望感に彩られていて、精神が追い詰められていく感じなんですよね。音響志向が強く、リバーブの掛かりまくった絶叫ヴォーカルも楽曲の抑鬱的な雰囲気を更に助長。トレモロリフ含有度はそれほどでもないものの、リードギターは結構メロい部分多め。このメロディのセンスも暗くて素晴らしいです。
ただ、質量感を伴うリフの歪みや、残響音にまで気を配ったアルペジオの音など、音響にも気を遣っている割に、ドラムの音色がガチャガチャうるさいんですよね…。正直このせいで初めて聴いた時は楽曲そのものが非常に良質でバリエーション豊かな事に目が行かなかったですもん。本編の方が楽曲そのものは良いんですが、ドラムの音が普通な「Apotheosis」の音源の方が、聴き心地の良さは上。…聴き心地が世界観に嵌まれるかどうかに直結するジャンルだけに、どうしてこんな音にしたのか疑問。
そういう訳で、良い作品ではあるんですが、改善して欲しいポイントも残ってしまうアルバムでしたね…。と言っても似たような音になりがちなこのジャンルにおいて、しっかり楽曲ごとに差別化も出来ていて、かつ曲が魅力的なので☆は3つですね。この音に目を付けたレーベルの方、ナイスです(笑)。
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