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Outsider / URIAH HEEP
火薬バカ一代 ★★ (2014-10-07 22:36:07)
膵臓癌により逝去したトレヴァー・ボルダー(B)に捧げられ、アルバム・タイトル『異端審問』を始め、収録各曲には大仰な邦題が冠されているURIAH HEEPの新作ですが、作品全体を覆うのは、気の合う仲間と自然体で作り上げたかのようなリラックスした空気。
意図して70年代HEEPサウンドの再現が試みられていた前2作に比べると、少々緊迫感が乏しい作り思え、購入当初こそあまりピンと来なかったのですが、時が経つにつれて遅効性のブリティッシュHRの魔力にじわじわと体の奥深くまで蝕まれ、気が付けばすっかりお気に入りの1枚に。
軽快に弾むOPナンバー①もよく聴けばインスト・パートはURIAH HEEPらしいドラマ性を帯びていますし、アップテンポで疾走する④⑦⑩や、シャッフル・リズムに“遠き日の安息”なる邦題がジャスト・フィットな⑧といった楽曲を聴けば分かる通り、肩の力を抜きつつも、ミック・ボックスのGプレイからバーニー・ショウの熱唱、フィル・ランゾンの鍵盤捌きまで、ベテラン・ミュージシャン達が織り成す味わい深い演奏と独特のコーラス・ワークがサウンドにフックを作り出していて、単に右から左へ聴き流すだけなんてことはさせません。
退屈な作品を作らないことにかけては定評のあるURIAH HEEPの連勝記録を、更に更新してくれる好盤でした。アートワークも最高ですよ。

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