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Planet Satan / MYSTICUM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-10-16 23:31:31)
2014年発表の2nd。
前作「In the Stream of Inferno」から、フルアルバムとしてはおよそ18年振りとなる新作。ブラックメタルにマシンビートを導入し、インダストリアルブラックの礎を築いた事、独特のサイケデリックでカルトなムードを感じられる楽曲などから、大いにマニア受けしていたバンドだっただけに、新作の報を聞いて狂喜した人も多かったのではないでしょうか。私もショップの入荷情報見て速攻で買いに行きましたよ…無事手に入って良かったです(笑)。
肝心の音楽性の方は…「In the Stream of Inferno」期の路線を、大本は変えずシンプルかつクオリティを上げてきたような感じですね。まるで三・三・七拍子を魔改造したような奇妙かつ耳に残るリズムの「The Ether」を始め、独特のノリを醸し出すマシンドラムと、ノイズ質の粒子が精神世界へ誘うようなリフが絡み、強烈なサイケデリアを演出するインダストリアルブラック。
但し今作は前作やスプリット音源などで見られたような、アトモスフェリックなキーボードの導入がない代わりに、ギターリフの厚みが増していたり、マシンドラムの炸裂感がより強調されていたりなど、より本質的な部分が剥き出しになったような音作りがなされているように思います。音が太くなりクオリティ自体は上がった感じですが、相変わらず楽曲からはカルト臭がぷんぷん匂うのが素晴らしい。
…個人的な印象なので異論はあるかと思いますが、私は今作も含めたこのバンドの音源を聴いてるとプリミティブブラック期のILDJARNを思い起こすんですよね。こちらは妙なノリを感じさせるマシンドラム、ILDJARNはパンキッシュでシンプルなリズム構成とパーツ自体は異なりますが、どちらも聴き手をトランス状態に導く作用があるという点では共通してるかも。そういう意味で、ブラックの非日常性をマシンドラムに求めたこのバンドの視点は、まさしく慧眼と言えるのかもしれません。カルトな支持を得るのも必然と言えるでしょう。
かつてはかのEuronymousをも虜にしたという、彼らのユニークな音楽性。ブラックメタル黎明期より長らく間は開きましたが、その続きがここにあります。
→同意