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Massive Cauldron of Chaos / 1349
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-10-17 11:35:48)
2014年発表の6th。

まず言いたいのは、激烈なリフとリズムの応酬を楽しむエクストリーム・メタルとしてはこの作品は満点の内容、という事ですね。1349って、ファストブラックとしては、オールドスクールな感触を強く残した作風のバンドだと思いますが、ひたすら暴虐に蹂躙を尽くすブラスト畳み掛けパートも、強烈なエネルギーを感じるスラッシーなパートも、このジャンルでも第一級の中の第一級といった説得力があり、素晴らしいの一言。

特にエクストリームメタル好きなら誰もが耳を奪われるであろう、Frostのドラミングは今作でも冴え渡ってますね。ファストさは極まってるしテクニカルなんですが、それを聴き手と共有するグルーヴ感がある気がします。極端なリズム構成でも、聴き手を問答無用で引き込むノリが出せるのは凄いと思う。カラッとしたクリアな音作りになり、陰湿さが減退したのは賛否ありそうですが、激烈なアンサンブルはよりよく楽しめるようになったと思います。

ただ、唯一個人的に気に入らなかったのは、メロディセンスの変質。例えば「Beyond the Apocalypse」の「Chasing Dragons」「Aiwass-Aeon」等で聴けた、霊障が起きそうというレベルを通り越して霊魂の呻きをそのままメロディにしたかのような、邪悪極まりないトレモロは今作では希薄。挙句にギターソロはヘヴィメタル的な熱さも強いですし…。良く聴けばこの邪悪な流れを汲むトレモロも無くはないんですが、「Beyond~」期と比較すると薄まったのは事実だと思う。

それを差し引いても、エクストリームメタルとして非常に優れた作品ではあるので、☆は3つですが…このプロダクションで当時のようなメロディで演ってくれたら、個人的にはもう完璧なんですけどね…。エクストリームメタルとしては満点でも、ブラックとしては90点台前半くらいかも。

→同意