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Night of the Axe / AIR RAID
失恋船長 ★★★ (2014-10-17 14:12:03)
我らがSPIRITUAL BEAST主催のJAPANESE ASSAULT13にて(ヘッドライナーにGIRLSCHOOLを迎え行われた会場は狭いが世界に誇れるメタルフェス、あのUNITEDも参加しており、在りし日の横山の雄姿が目に浮かびます)来日公演も記憶に新しいスウェーデンはイエテボリ出身のツインギターを擁する5人組によるNWOTHMバンド群にいちする彼らが2012年にリリースした1st。アンディ・ストームチャイルドとジョニー・ナイトシュレッダーによる流麗でアグレッシブなツインギターを軸に、気合いの入ったメロディックメタルを墓標としアクセプトばりのステージパフォーマンス同様、純度100%なHM/HRサウンドを披露、ザラついたハイトーンヴォイスにMARINOのレオさんがドーピングしたみたいに聞こえますが、パワフルな楽曲に負けじと噛みつきフロントマンとしての重責を果たしていますが、少々灰汁が強く好みの分かれるところですね。特にこの手のメロディを活かしたパワフルなメタルですから表現力を求めるとチト厳しいかな?
ロブ・サンダーボルト、デイブ・ディストラクターによるケツをまくしたてるパワフルなリズムプレイもバンドの推進力となり貢献度も大、雄々しいコーラスワークに支えられたヒロイズム溢れる剛毅なメタルナンバーは聴き手を鼓舞するのに十分すぎるほどの効果を生み出し、ある種のカタルシスを解放してくれます。もちろんアコギを活かしたスローナンバーも用意しメリハリをつけアルバムを通して聴いても苦にならない配慮も忘れておらず、この手の作風にありがちな通り一辺倒では終わらない魅力が詰まっています。メイデン、プリーストと言った先人達の偉業を真っ当に引き継ぎ、新たなる解釈を加えられた伝統芸能が(多彩なフレージングを紡ぐツインギターの旨味は相当なキレと味わいがある)イエテボリから普通のメタルが出てきた事がようやくメロデスブームに一区切りつけたように感じられホッとしています。ある意味、グランジ・オルタナブームよりも、そのあとに取り上げられまくった猫も杓子もデスヴォイス!グロウル万歳!!の方が「どうかしてるぜ!ヒー!ハー!!」と思わずにはいられませんでしたからね。とはいえ彼ら国内流通ないんですよね。普通の事をやっても陽のあたる構造がある欧州のシーンが眩しく映ります(頑張れSPIRITUAL BEAST)。
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