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Deliver Us / WARLORD
失恋船長 ★★★ (2014-10-20 15:22:40)
メタルブレイドのコンピレーションにも曲を提供していた彼らがレーベルの後押しを受けて1983年にリリースしたデビューEP。Voダミアン・キング、G.Bデストロイヤー、Drサンダー・チャイルド、Keyセンチネルの4人組、結成時からおおよそUS産らしからぬダークなサウンドが話題を呼んだのですが、パーマネントなバンドとしての実態がないようでLIVE活動なども行わなかった事が問題となり認知度は低くめ。そのせいか一部の熱狂的なマニアからの支持を受けていたカルト的なバンドでした。フォーキーなフレーズが耳を惹くヨーロピアンテイスト満載のドラマティックな①が始まった時点で相当な期待は高まるでしょう。その流れを引き継ぐ哀愁のメロディが冷たく鳴り響くミステリアスな様式美ナンバー②全曲のアウトロを引き継ぎ静かに始まるのですが、転調してからはマイナーメロディが劇的に走りだす哀愁の疾走ナンバー③この自らが提示している暗闇を切り裂くようなシャープさが美しいです。⑤では全体的にメロウなメロディを配しメルヘンなダークファンタジー路線を表現し、このバンドの奥深さを改めて知らされます。⑥では重苦しいリズムとダークな質感に邪教の宴といった趣があり、バックで流れるキーボードの響きとギターが幾重にも織りなすフレージングの禍々しさに耳が奪われます。ラストはメタルマカサーにも提供したパワフルな⑦で幕が引きます。ちなみに僕はこの作品をiTunesでゲットしたのですが、そちらはオリジナルより1曲多い7曲入りで⑤が増加分になるのですがパワフルなリズムがけたたましく鳴り響く、彼ららしいダークでミステリアスなメロディを軸に劇的な展開が堪能できる力作となっており、物凄いお得感を感じました。欧州テイスト満載、ミステリアスかつダーク、様式を感じさせるメロディックなサウンドの劇的な演出の仕方は凄まじいテンションの高さと密度の濃い音の世界に引き込まれること請け合いです。音質云々、80年代的なグルーブよりもタイトなビートを聴かしたリズムなど、直線的な面もあるもの鉄壁のリズムプレイは聴き応え十分だし、荒涼としたメロディを黒く塗りつぶし光沢を与えるギターとキーボードの絡みは独自の世界観を花開かせることに一役も二役もかっております。歌い手の線の細さは否めませんが、劇的でシリアスな正統派サウンドを求めている方ならグッとくるでしょうね。ちなみに1984年にシングルをリリース、そこで専任ベースにアークエンジェルさんとVoがダミアン・キングⅡ世にメンバーチェンジ、その作品を店頭で見つけ手に取っていたら友人に某商業誌のレビューにて酷評された事を友人が教えてくれました。「わしには分からんアホじゃけぇ」と言い放って購入した事は言うまでもありません。

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