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Leftoverture / KANSAS
火薬バカ一代 ★★ (2008-11-30 00:34:00)
プログレッシブ・ロックならではのインテリジェンスと、大衆性(ポップさ)が高いレベルで融合を果たした、
KANSASの最高傑作にして、アメリカン・プログレ・ハード史上に燦然と輝く名盤として名高い
(『永遠の序曲』という邦題も美しい)、'76年発表の4thアルバム。
前作まで根強く残っていたロックンロール色(ノリで押すタイプの楽曲)が一掃され、起承転結がバッチリと決まった
劇的な楽曲群で全編が固められた本作は、しみじみと泣く珠玉の名バラード②、ヴァイオリン大活躍のドラマティックな④、
卓越したアレンジ能力の高さが堪能できる⑦、そしてラストに鎮座まします、KANSASの全てが注ぎ込まれた
彼らのプログレ・サイドを代表する“超大作"⑧といった、バンド屈指の名曲中の名曲たちがズラリ並ぶ。
全米チャート11位にランクインを果たした大ヒット曲①が、この中に並ぶと大した曲に聴こえないのだから、
その内容の充実っぷりの半端なさが分かろうと言うものだ。
ハイテクニックに裏打ちされた、綿密なアレンジの腕前にも益々磨きがかかり、それでいて、親しみ易いキャッチーな
哀メロを大切に聴かせる姿勢が終始徹底されているため、凡百のプログレ・バンドにありがちな、独り善がりな難解さも皆無。
張り/艶/伸びと三拍子揃った絶品のVo、よく歌うG、美しく流麗なKey、構築美に富むリズム隊、そして優雅で
マイルドな叙情性を演出するヴァイオリンとが、一体となって生み出す楽曲群は劇的極まりなく、
当然のように捨て曲は一切なし。DREAM THEATERを筆頭とするプログレッシブHMバンドのファンで、
まだKANSASを聴いた事がないという人は、確実に人生大損こいてますよ!

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