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Jehovahkill / JULIAN COPE
帰ってきたクーカイ ★★★ (2014-11-01 23:25:34)
『エホヴァ殺し』である。1992年発表。インディ・レーベルから発表されたものを除き、6作目のアルバム。
日本人である私だと、今一つピンときていない可能性があるのだが、そのアルバム・タイトルはキリスト教圏の人々が聞いた時には、結構な衝撃があるのではないか。
キリスト教のことを最もてっとり早く学ぶのなら、阿刀田高氏の『旧約聖書を知っていますか』と、『新約聖書を知っていますか』を読むのが一番だと、個人的には思う。もうちょい詳しく勉強したかったら、犬飼さんの著作を読むと良いのだが、難しい。
「キリスト教のことなんか、学ぶ必要ないじゃん」
それは違う。
欧米の人を相手にビジネスやら何やらしている人なら、一般教養として押さえておくべきだ。絵画や音楽など文化全般に、キリスト教的知識は行きわたっているのだから。
キリスト教など一神教の国(多くの欧米諸国)の文化と、多神教(日本を含むアジア圏)の文化は、その生成がデフォルトからして大きく異なる。
たいそう酔っぱらっているので、余計な寄り道をしてしまった。
本作は名作である。
〇〇と天才は紙一重というが、ジュリアン・コープって“気〇がい”じゃないかと、ふと思ってしまうくらい、キレまくっている。
音像は本当にシンプルなロックを基軸とし、たまにデジタル・ロックっぽいインストも含む。だが、どの曲も、「あんた、それ、どっから持って来た?」と問いたくなるように、底知れぬ奥深さを有している。
本人も言っているように、その傾向は特に歌詞において顕著に現れている。
故に冒頭に戻るが、「エホヴァ殺し」という言葉の持つ意味は重いのだ。
要するに、キリスト教が広まる以前の宗教と文化への目配りが必要である、という主張が「エホヴァ殺し」に込められている。
自分たちの“最初期”に回帰してみよう、というのをロックでやってしまった、というのは凄いと思う。 ここまでやっちゃった人は、他に類を見ないように思うが。どうです?
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