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Absolute World / ANTHEM
火薬バカ一代 ★★★ (2014-11-16 23:00:36)
嘗てはバリバリの森川之雄派として鳴らした我が身ですが、ANTHEM再結成以降は坂本英三の素晴らしい仕事振りにシビれまくっていたので、今回のフロントマンの交代劇には、喜びよりもまず不安が先立ちました。
でもそれも、実際に本作を聴くまでのお話。高浜祐輔のKeyをお供に、疾走ナンバー固め打ちの本編前半で早くも炸裂する、森川のリキの入った「オゥイェー!!」のシャウトを耳にした途端、そうした不安は完璧に雲散霧消しましたね。
メンバーの屈強且つタイトなパフォーマンスと、グッと胸に染み入る哀愁のメロディとが熱く脈動するANTHEM流HMサウンドの本分はそのままに、激しく燃え盛る坂本のVo→沸々と煮え滾るような森川のVoへとバンドの「声」がバトンタッチしたことで、個々の楽曲が放つ印象も少なからず変化。具体的に言うなら、タメの効いた歌唱を得てよりウェット且つメロディアスな味わいが強まったかな?と。
アルバムは全編捨て曲なしですが、トドメはなんつっても名曲“DON'T LET IT DIE”。攻撃的なGリフ、小気味良く疾走するリズム、噛み付くようなヴァースから一転、メロディアスに展開されるサビメロの素晴らしさは特筆モノで、未だにこんな年間ベスト・チューン・クラスの名曲を生み出してしまう柴田直人(B)の才能には、黙って平身低頭するのみです。

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