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QUEEN
NEELS (2014-11-25 12:59:22)
2014 年8月16日(土)  大阪:舞洲サマーソニック大阪特設会場

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2014年8月16日。朝から雨が激しく降ったり、やんだりと不安定な天候。 クイーンのステージが始まる7:30PMごろには雨は止み、Ocean Stageは、1985年に行われたフレディ在籍時最後の日本公演以来となる大阪でのクイーンのステージを今か今かと待ちわびるファンで埋め尽くされた。

ステージ正面にはQをかたどった大きなスクリーン、そこにフレディのデザインしたエンブレムが大きく映し出され、やがて「プロセッション」が流れる。クイーンの世界へのプロローグ。2014年のクイーンはいったい観客をどんな世界へと導くのだろう。 印象的なギターのイントロとともに "Now I'm Here… "という若々しい歌声。アダム・ランバート、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーがステージに現れる。

本人が意識しているのかどうかはわからないがフレディを彷彿とさせるきりっとした目元、口元の髭、そして何を置いても観客を瞬時にして支配下にするヴォーカリストとしての資質と圧倒的な歌声は威風堂々としたクイーンの世界に見事に融和している。 「ストーン・コールド・クレージー」「輝ける七つの海」「キラー・クイーン」などフレディがいなければステージで再現不可能と思われた初期の名曲をアダムは軽々と楽しんで歌い上げる。ブライアンとロジャーは長いキャリアで培った高度なテクニックを駆使しながらもそれを全く感じさせない余裕の演奏でパフォーマンスに深みを与える。

「キラー・クイーン」ではソファーに横になりシャンパンを飲みながら、アダムはフレディが漂わせていたのと同じ匂いの色気を放つ。 このころから雨足が激しくなり、観客同様びしょ濡れのアダムがライヴ開始以来始めて語りかける。「みんな、一人で寂しいと思うことはない?そんな時はどう思うのかな?」。そして「愛にすべてを」を歌い始めると会場も大合唱。

ブライアンがアコースティック・ギターを手に舞台中央に座り「おはようございます?こんにちは?こんばんは!」とおどけてみせる。そしてきっと日本のファンへのプレゼントであろう「手を取りあって」を歌う。続いて「みんなも一緒に歌ってくれるね」と「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」を歌い始める。歌の後半、ブライアンが中央のスクリーンを見上げるとこの曲を歌うフレディの映像が映し出され、まるでフレディと一緒に歌っているような演出に心を打つ。

次にステージに現れたのはロジャー。ロジャーが作った名曲「輝ける日々」を歌う。後ろのスクリーンには70年代来日時のクイーンの様子が映し出され、共に40年という歳月を過ごしてきた日本のファンへのロジャーからのプレゼントなのだと気づかされる。

この後はバンドとオーディエンスとが一体となって初めて完成するクイーンのスタジアム級名曲が次々と演奏される。「アンダー・プレッシャー」「Radio GAGA」「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」など。

ロック史上最高の名曲と称えられる「ボヘミアン・ラプソディ」のイントロが流れ、アダムが歌い始めると再びスクリーンにフレディが現れ二人で掛け合いのようにバラッド・パートを歌う。オペラ・パートはスクリーンでプロモーション映像が流され、ロック・パートでバンドのパフォーマンスとオーディエンスの感動は頂点に達する。 エピローグを飾るのは「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「ウィ・アー・ザ・チャンピオンズ」。もちろん会場は大合唱。メンバーがステージの中央に集まり「God Save The Queen」の流れる中、別れを惜しむように観客に手を振りやがて姿を消す。

2014年のクイーンの世界。そこにフレディ・マーキュリーはいない。しかしそれは、「喜びや、夢や感動をたとえ一瞬でもオーディエンスに捧げたい」という40年間変わることのない願に支えらえた紛れもないクイーンの世界であり、また尽きることのない挑戦でもあると感じた。
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