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Hypertrace / SCANNER
火薬バカ一代 ★★ (2014-12-23 21:57:08)
弦楽器隊を中心に再編され、LION'S BREED改めSCANNERとして生まれ変わった5人組が、プロデューサーにELOYのフランク・ボーネマン、エンジニアはトミー・ニュートンという布陣でレコーディング作業を行い、'88年にNOISE RECORDSから発表したデビュー作。(ラルフ・シーパースもゲストVoとして③に参加)
疾走感溢れるリズムに、劇的にハモる2本のGがメロディックに絡み、微妙な実力のシンガー(カイ・ハンセン以上/マイケル・キスク未満)が線の細いハイトーンをその上に乗せる・・・という音楽性は、所謂「ジャーマン・メタル」の王道スタイル。ただ、HELLOWEENブレイク以前からキャリアを積み重ねて来たバンドゆえ、どちらかと言えばJUDAS PRIESTやACCEPTといったオーセンティックなメタル軍団から影響の方が、より顕著に表れているかな?
「さぁ皆さんご一緒に」系の楽曲もないことはないのですが(②とか④とか)、個人的にはそれよりも①③⑤のような、シャープな疾走感とドイツのバンドらしい鋼鉄感が融合をみた楽曲の方にメタル心をくすぐられます。特にタイトな切れ味に気の逸る⑥は名曲。
メンバーの出で立ちからアルバム・コンセプトまで、ばっちりSFタッチで固めながら、脱力感満点の「イキったオッサン」ジャケでそれらを台無しにしてしまう辺りにB級メタルの悲哀を感じずにはいられませんが(アレンジもちょっと野暮ったい)、まぁそれはそれで趣きがありますよねと。

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