この曲を聴け!
QUEEN
NEELS (2014-12-27 07:35:14)
【インタビュー】ブライアン・メイ、『クイーン・フォーエヴァー』を語る独占ロング・インタビュー大公開
2014-12-26 13:47:40
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■ユア・ハート・アゲイン
「ユア・ハート・アゲイン」は、その頃の僕の曲で、僕はいい感じだと思ったんだが、完成させる気にならなかったんだ。スタジオでいじっていた曲のひとつで、クイーンにとってよくあることだったんだけど、スタジオであと5パーセントから10パーセント展開すれば完成するぐらいになっていた。僕は封筒の裏に歌詞を書いて、フレディに試してもらっていた。フレディがもう少しで完成できるというところまできていて、自分でもあと数時間と言っていたんだけど、もう歌えないと言い出したんだ。「もっと書いてよ。もっと歌詞を書いて」。でも、その時点では、難しくなっていると僕らは思った。
僕の曲は、フレディに言わせると、いつも無理だった(「君はいつも歌うのが無理な曲を書くんだから。高すぎたり低すぎたり」)。だから彼は最初の節を低く歌い、2番目の節を一オクターブ上げて歌ったんだが、それは彼には辛いことで、それで「歌えないよ。歌えない」ってことになって、フレディが歌いやすいようにキーを変えようってことになったんだ。
新しいキーでやってみると、大丈夫だった。フレディはうまく歌えた。でももう彼には頑張る情熱が失われ、辛くなっていた。僕自身も、歌詞が完成していない気がした。単語がいくつか気に入らなくて、80年代半ばの頃には、そんなに一緒になって仕事をせず、「OK、これは置いておいてまたいつかやろう」っていうことは良くあった。そしてこの曲に手をつけることはなかった。
それで曲はそのままになって、一年前にまた取り出すことになったんだ。すべてはアナログ・テープに録音されていて、録音された日のままに新鮮だった。40年ぐらい前だったかな? フレディの声は、まるで昨日録音したかのように完璧な透明感があって、喉のつばのかすかな音すら聴こえてくる。彼の歯から言葉が吐き出されるのは、まるで隣にいるかのようだ(顔の前に手を持ってきて)、そして僕はとても心を動かされた。これを完成しなきゃいけない、と思った。完成させる奇跡がきっと起こせるはずだと。頑張ってみればなんとかなることってあるでしょ?
僕は80年代半ばの音源すべてを使って、このジグソー・パズルのピースを探したんだけど、突然この部分は使える、この部分は使えるっていう部分を見つけることが出来て、曲に戻ることができた。
僕らはすべてをつなぎ合わせ、まるで夢のようにうまくいったんだ。Protoolsを使った部分もあるし、使わなかった部分もある。このジグソー・パズルの場合には、最終的にはライヴ・テイクで僕ら4人がお互いに影響しているような、リアルにライヴのパフォーマンスで出している電気のようなものが聞こえた。そこで僕はとても興奮して、ミックスするのにそれほど時間はかからなかったんだ。少しギターをミックスして、ロジャーと少しバッキング・ヴォーカルを足して、ちょっと飾っただけ、だけど、ライヴ・テイクは、1984年のものだったか、1985年だったかな? 作業はLAのレコード・プラントでだったんだけど、まさに僕らのピーク時のものだった。
■新しい曲作り
奇妙なことに、これを始めようと思ったころには、心の痛みが少しあったんだ。気持ちが過去に戻り、それから少しして、作業にかかると、いつもと変わりなくなった。なぜなら、どうせフレディだっていつも部屋にいたわけじゃないからね。僕はいつも朝の3時にスタジオにいてその日の仕事をどうにかしようとしているようなヤツだった。
フレディはどこか他の場所にいるわけで、だから、そんなに違わなくて、目的のために動いている僕は、小さなかけらを探し、それらを一緒にし、磨き上げたり、集中しているんだ。
しばらくすると、うまくいき、腰掛けて、ジグソー・パズルがうまく出来たのを見て、いい気分になる。とても楽しいものさ。ムダじゃなかったんだ、あの過去のことは。今こうやって結実して、ここにあって、きっとみんな気に入るだろう。みんなフレディが、全盛期のバンドとフルに歌っているのを聴いて楽しんでくれるだろうね。
■ラヴ・キルズ(バラッド)
何年かの間、僕は、このアイディアを暖めていて、僕らのマネージャーのジム・ビーチが思い出させてくれたんだ。「君は「ラヴ・キルズ」をディスコの曲じゃなくバラードにしたいって言っていたよね」ってね。「そうだ、うまくいかないんじゃないかな。だってディスコ・ビートが録音されちゃってて、それは取り除けないでしょう?」とかなんとか答えた。
とにかくスタジオで、箱からテープのリールを取出して、古いアナログマシンでプレイバックしてみた。ヴォーカル以外のすべてを取り去ると、クリスタル・クリアだった。ピュアで彼がまるで初めて歌っているときのようだった…そしてバラードみたいに聞こえた。これは「ラヴ・キルズ」で、初めて聴くと思ってごらん「お、「ラヴ・キルズ」か平凡な曲だな」。でも実際、そしてバラードとして聴くと、きっとフレディがなにを意味していたのかがわかる。その時、愛は彼を殺しつつあったんだ。彼はひどく怯えていて破綻しそうだった。だから「ラヴ・キルズ」は彼がどう感じていたのかをリアルに描き出している。僕は聴いたとたんにとても心を動かされた。
もちろん、するべきことは、ヴォーカルのまわりの新しいタペストリーを織り上げることで、オリジナルの半分のスピードのタペストリーが充分効果的だった。ヴォーカルにも少し手を加えた。数箇所を動かし、それは暴露されたけど、基本的には、彼はバラードとしてその曲を歌っていて、今やこの曲はバラードだ。
ロジャーは過去の半分のスピードでドラムを叩いていて、それが不思議な粘っこいヘヴィーさを生んでいる。そのおかげでクイーンのクラシックなバラードの雰囲気になっていると思う。ジョンもそこにいる。僕らはジョンの音源を探し、付け足した。本当に部品だけど、僕は気に入っている。この曲には大いに意味があると思うし、フレディの作品は好きなんだ。
この曲は、彼がそんなに時間をかけなかった時代のもので、ただ成り行き任せだったんだ。マイクの前にいるだけで、彼はどんなふうに歌えばいいのかわかっていたし、フレディからは信じられない声が出てきた。大きなディスコの音量なしで、その時代の彼の歌をクリアに聴くことが出来るのは素敵だよ。
でもフレディは、気がつかれないようにキーを変えて歌うことで、リスナーを捕らえるんだ。「ラヴ・キルズ」でも明らかになっている。キーは変わる。違うキーに変身する。フレディの声の限界ギリギリまで素晴らしくどんどん上がって上がって行く。驚くべきことだ。
■クイーンとコカ・コーラ(RED)
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面白い話なんだ。フレディが死んだとき、彼の死因がAIDSだっていうことが報道されたのは知っていると思う。あの頃、それはとても不名誉なことだったのは明白で、だから僕らは“フレディ・マーキュリー・フェニックス・トラスト”を作って、世界中の様々なチャリティやAIDSと戦うためのプロジェクトにお金を集めることになった。500から600万ポンドぐらいにはなったと思う。僕らには、世界中のさまざまなプロジェクトにルートがあって、それは素晴らしいことだ。
僕は、フレディが、何故死んだのかってことで記憶されたいわけじゃないんだ。彼はシンガーとして記憶されるべきだ。だけど、彼の代わりに世界に寄付が出来れば、意義のあることだ。
そこで、こんな話が持ち上がった。コカ・コーラとREDキャンペーンに取り組んでいるボノが、この曲をAIDSの特別なプロジェクトに捧げようって言ってくれて、僕らは大賛成したんだ。
僕らはそのためのミックスを作った。ウィリアム・オービットにアルバム用とは違うミックスを委託し、彼らにそれを使うように提供した。ぞくぞくしたよ。フレディのようじゃないか。これだけ年月がたっても、AIDSとの戦いに参加しているんだ。
これはとても特別なことで、知られているかどうかわからないけど、母親から子供へのAIDSの感染を止めるための薬へのスポンサーをしているんだ。その薬はもう存在していて、使われるのを待つだけなんだ。必要としている人たちに届ける。それがREDなんだ。
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