この曲を聴け! 

Fas - Ite, Maledicti, in Ignem Aeternum / DEATHSPELL OMEGA
netal ★★ (2015-01-24 02:28:27)
三部作の二作目で、アルバムタイトルは「神法―呪われ、永劫なる業火へ」という意。

3rdでは濃密であったブラックらしい寒さや荘厳さは大分減り、
異形の神を讃え、蠢く蟲を呼び出すが如きカルティックさやカオティックさが、これに先立つEP『Kénôse』にも勝る程に際立つようになった。
予測不可能なリズムと奇怪なリフ捌き、そして不条理に変わる曲展開等々を以て聴き手を翻弄し、精神を思索と混乱の狭間へと誘う。
硬質かつ激速なドラムも凄まじく、神の偽りへの糾弾或いは神の無慈悲さを象徴するかのようである。
フレーズの切替が唐突過ぎて悪い意味で違和感を覚えたり、静パートが長過ぎる所も少なくなかったり等、三部作の中では粗が目立つとはいえ、
アヴァンギャルドさとブルータリティを両立したブラックを求める人には堪らない作品。

さて、三部作の二作目という事で、相変わらず歌詞も難解であるが、今作の大意としては
「神は現世において人間に苦行を与え(②)、その為に人間は救済を求めて信仰を抱く(③)。
それに抗う者は、周りから孤立した存在として、試練を生きて受けねばならない(⑤)。
故に神に通ずると称する者は、『屍の如く絶対服従を誓え』と人々に説く(①)。
しかし、真の救済とは苦痛を破壊する事により得られるものであるから、それを与える神とは、打破し決別すべきものである(④)。
即ち、神が人間に与える苦痛とは単なる死と恐怖でしかない(⑥)。」
みたいな感じかと思われる。
苦行による信仰の無益さ、であろうか…

気に入り度…85/100

おすすめ… Bread Of Bitterness

→同意