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Alice in Hell / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★ (2006-08-02 21:26:00)
ジェフ・ウォーターズ率いる技巧派スラッシュ・メタル・バンド、'89年発表のデビュー作で、
ANNIHILATORのアルバムの中では、比較的ストレートな疾走感が堪能できる1枚。(飽くまで「彼らにしては」だけど)
物語を感じさせるアルバム・ジャケットといい、クセの強いVoの存在といい、シアトリカルな曲展開といい、ついでに発売元が
同じROADRUNNERである事といい、本作を例えて「スラッシュ化したKING DIAMOND」とは正に言い得て妙。座布団1枚!
KING DIAMONDがホラー・メタルなら、こちらはサイコ・ホラー・メタルとでも形容すべき独特の雰囲気が漂っていて、
それを主に演出するのが、ランディ・ランペイジのヒステリックなキ○ガイVo、そして、痙攣の発作の如き執拗なリフの刻みと、
高いドラマ性を有しながら、どこか不安を掻き立てるメロディが印象的なソロを聴かせる、ジェフ・ウォーターズのGワーク。
特に、絡み合う2本のアコギが、文字通り水晶のような美しさを感じさせる序曲①“CRYSTAL ANN"と、
組曲形式で続く②“ALICE IN HELL"は、不気味なヘヴィ・パート/ひねくれたインスト・パート/オペラティックなパート
/スラッシーな疾走パート等が目まぐるしく入れ替わる、芝居がかった劇的な曲展開が素晴しい、
初期ANNIHILATORの何たるかを「ギュッ」と凝縮した名曲。
デビュー作にして早くも、新人離れした高い完成度とインテリジェンスを誇る楽曲の数々を作り上げてしまうジェフ・ウォーターズ、
その才、恐るべし。
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