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Theater of Redemption / HARMONY
火薬バカ一代 ★★ (2015-02-14 00:20:26)
'08年屈指の名曲“INNER PEACE”でこっちに強烈なインパクトを焼き付けながらも、その後はとんと音沙汰がなかったマーカス・シグフリードソン(G)率いるHARMONYから、久々に届けられた新作アルバム。
前作では、その“INNER PEACE”1曲のみのゲスト参加に留まっていた元LOST HORIZONのダニエル・ハイメン(Vo)が今回は正式参加。全曲で自慢の強靭な喉を披露していることもトピックな本作ですが、音楽性の方は、これまでの疾走感溢れるネオクラ・パワー・メタル路線から若干の軌道修正有り。
全編を冷え冷えと彩るミスティックなメロディは健在なれど、スピードダウンした代わりにエピカルでプログレッシヴな大作感を強調した感じの楽曲は、昨今の欧州メタル・シーンの嗜好を踏まえた仕上がり。クラシカルな疾走チューン⑪が日本盤用ボーナス・トラック扱いなことからも、バンドの基本姿勢は明らか。
KAMELOT風味のエキゾチックなメロディが妖しげに踊る④、悲壮感の充満した曲調にダニエルの熱唱が映える⑤、バンドのテーマ曲とも言えなくもないキャッチーな⑩等、この路線の楽曲もそれはそれで魅力的なのですが、今回は“INNER PEACE”級の決め手には欠ける印象。前作でアレンジの肝となっていた、指先から零れ落ちていくようなピアノの美旋律が殆ど聴かれなくなってしまったことも、その感じてしまう要因かなぁと。質は十二分に高いんですけどね。

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