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One Foot in Hell / CIRITH UNGOL
火薬バカ一代 ★★ (2015-03-06 00:14:48)
『指輪物語』に着想を得て「キリス・ウンゴル」を名乗った4人組、'86年発表の3rdアルバム。
MANILLA ROADと並んでエピック・カルト・メタルの最重要バンドと目されるだけあって、ここに渦を巻くのは、HR/HMシーンが華やかに浮き足立ってた超バブリーな時期に(しかもカリフォルニアで)制作されたとは俄かに信じ難いほど、暗くてジメジメ湿気ってキャッチーさ絶無のバーバリックなHMサウンド。ルックスも含めて、もう清々しいくらい女の子からきゃーきゃー言われそうなモテ要素ゼロ。
一口にエピック・メタルと言っても、例えばMANOWARがメロディやアレンジといった同ジャンルの構成要素一つ一つを丹念に磨き上げた宝石だとすれば、こっちは武骨な原石を無造作にゴロンと提示してる感じ。そもそも端から宝石になど興味はなく、「原石であること」に価値と誇りを見出しているというべきか。
アルバム後半、ガクっとテンションが落ちてしまうのが玉に瑕ですが、好戦的なBLACK SABBATHといった趣きの②、ドカスカ喧しいDsが全体を牽引する④、NWOBHM風味満点の疾走ナンバー⑤、勇ましさと哀愁を両立させたGに聴き惚れる⑥といった楽曲が並ぶ前~中盤だけでも、アルバム代の元は十分に回収できます。相変わらず音程に無頓着に喚き倒す爬虫類系Voも、ここまで貫き通されると「立派な個性」と認めざるを得ないわけで。
破天荒な迫力に(好き嫌いはさておき)思わず気圧されること請け合い1枚ですよ。

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