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Dominator / CLOVEN HOOF
火薬バカ一代 ★★★ (2015-03-21 23:39:37)
派手なメイクのメンバーが、それぞれ「地」「水」「火」「風」を名乗る等、南斗五車星な要素・・・じゃね、シアトリカルな要素を売りにHR/HMシーンへ打って出た英国ウルヴァーハンプトン出身の4人組、'88年発表の2ndアルバム。(ジャケットに戴くは、WHITE DWARF誌の表紙を飾ったことでも知られるジョン・ブランシェ画伯のアマゾニア・ゴシックのイラストですよ)
ラインナップの大幅刷新を経て、メンバーのルックスも名前もノーマルに落ち着いてしまった本作なれど、託されているサウンドは、変わらず・・・というか一層筋肉質に鍛え上げられた、トゥー・マッチ・ピュアな正統派HM。例えSF映画風のコンセプトを擁していようとも、大袈裟なSEやKeyによる味付けは用いず、またポップ・メタルやスラッシュ・メタルといった当時流行の音にも目もくれず、「マイナー」「古臭い」と謗られようとも、徒手空拳で真っ向勝負を挑まんとするその意気や良し!ってなもんで。
パワー・メタリックにブチかまされる①、ドラマティックに展開する②④⑧等も最高ですが、何と言ってもガッツポーズ決めたくなるのが③と⑥。薄曇りな声質のVoが歌い上げる、勇ましいけど派手さ控えめ、翳りは湛えているがクサ味控えめな、英国産HMの醍醐味に満ちたこの名曲っぷりにゃ身悶えしたくなる次第。
メタルバブル真っ盛りの中にあって、この地に足の着いた作風。発表当時は雑誌レビューじゃケチョンケチョンでしたが、むしろ時を経た現在の方が正統な評価を得られるタイプの作品ではないかと。
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