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Sabbath Bloody Sabbath / BLACK SABBATH
クーカイ ★★ (2002-10-06 11:19:00)
'73年発表。5th。本作の特徴はシンセサイザーを使ってちょっと遊んでみましたってところ。
とはいえ、前作までにつかんだ方法論を全く無視したのではなく、自分達の持ち味の一つであるキャッチーさ(言い換えれば"軽快さ")やポップな部分を、もう一度整理しなおしてわかりやすく提示して見せたのだと思う。
ここ日本じゃ名盤というと、1stや2nd、ちょっとひねったファンだと3rdや4thを挙げる人が多いが、この5枚目の本作も名盤である。
笑っちゃうのは、シンセを使った曲が両極端だってこと。4曲目の「SABBRA CADABRA」にはシンセにYESのリック=ウェイクマンが参加。図太いギターに負けることなく、しかも違和感を感じさせずにシンセとピアノでフレーズを織り込んでいる。
リックは、かのNYのロック詩人LOU REED(VELVET UNDERGROUNDのリーダーだった人)の1stにも参加しており、'70年代初頭はセッションワークで稼いでいたと思われる。というか、職人肌だから呼ばれれば音楽性に関係なく何処へでも行く。ある意味結構無節操。
6曲目「WHO ARE YOU」のシンセはギーザーが弾いているのだが、これが可笑しい。絶対にこの「ミニョーン」という音を使って、妖しげでしかもキャッチーな楽曲を作ってやろうと画策したのに違いない。個人的にはこの1曲だけで「買って良かった」と思った。
いやもう、実のところ2ndと同じくらい好き。いとおしい1枚。

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