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Gold 'n' Glory / FAITHFUL BREATH
火薬バカ一代 ★★★ (2015-04-08 23:12:13)
人に歴史あり。と言っても、RISKのハイミィ・ミークス(Vo、G)の過去に興味を持つHR/HMファンが日本にどんだけいるのかっつー話ですが。
RISKの前身として知られるFAITHFULL BREATHは、70年代にプログ・ロック・バンドとしてスタートを切るも、アルバムを重ねる毎にアグレッシブに研ぎ澄まされて行き、ウド・ダークシュナイダー&マイケル・ワグナーをプロデューサーに迎えた'84年発表の本作(5th)では、コスプレ姿も勇ましいルックスから雄々しく突き進む楽曲まで、いよいよ立派なヴァイキング・メタル・バンドへと(RUNNING WILDよりも一足お先に)変貌を遂げるに至りました。
まぁジャケットをよく見りゃ、ガレー船の竜は富永一朗先生(お笑いマンガ道場)が描いたような面してたり、船内に張られたテントが紅白模様だったり、そもそも船が空飛んでたりと、アバウト極まりないヴァイキング像だったりするんだけども。心意気は十二分に伝わって来るので無問題。
何より、メロディックなツインGの援護射撃の下、ハイミィがガラッパチに歌い上げる収録楽曲が、そんな些事への拘りを忘れさせてくれる素晴らしさなのですよ。鋭角的なGリフとキャッチーなメロディの組み合わせが秀逸なOPナンバー①や、無心でフィスト・バンギングに興じたくなる⑥、炸裂感溢れる③⑧等のアッパーな楽曲も最高なのですが、ACCEPTばりの掛け声コーラスに血沸き肉踊る②、戦いにくたびれた中年親父の哀愁漂うバラード④、勇ましさの中に落とし込まれた憂いにグッと来る⑤といった、ミドル/スロー・チューンもハートにズドンと突き刺さる出来栄え。
全8曲で収録時間は30分台、不器用でも簡潔明瞭にHMの魅力を謳い上げた1枚。MAUSOLEUM RECORDSからのリリースは伊達じゃない!と。

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