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Hungry for Blood / RANKELSON
失恋船長 ★★★ (2015-04-15 15:34:27)
そのド派手なルックスから英国のモトリークルーなんて言われていたりもした悪名高きエボニーレコードからデビューを果たした彼らが1986年にリリースした1st。中央の白塗りメイクに右下の彼は絶対に目をつむり瞼に目を書いたとしか思えない、大真面目なのにオフザケにしか見えないジャケに、今の若い人にはげんなりさせられるかもしれませんが、当時のインディーズ等のプロモ写真やジャケなら、小一時間は思い出トークに華が咲くので、個人的には気にすることなく今作を手に取りました。
見た目同様の面妖さもサウンドに取り込んでいますが、曲によってはかなりドラマ性を高めた派手なキーボードを導入し妖しさに大衆性も取り込みオリジナルティ溢れるスタイルへと昇華することに成功、適度なスピード感と哀愁のメロディが迸る同郷のTYTAN風②⑥⑧のような曲を聴かされるとマニアならずともグッとくるでしょうね。骨太な歌声とのマッチングも上々なタイトルトラック④もノリ良く響き伝統的な英国産スタイルの中で猥雑なポップセンスも散りばめており、隠せない暗く湿ったメロディは決してライトな感覚など微塵も感じさせる事はないので、アメリカンな軽快さが苦手な人にはもってこいでしょう。英国産メタルの本道を踏まえキャッチーなメロディを軸に骨太な歌声がメリハリを効かせ安定したパフォーマンスを披露し曲の良さを伝えているのも好印象。見た目のダサい派手さが足を引っ張りそうですが、良質なメロディとコンパクトながらドラマ性が高いアレンジもツボを押さえており正統性の強いメロディックHM/HRバンドとして大いに楽しめるでしょうね。
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