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The Viper's Path / VOLCANO
失恋船長 ★★ (2015-05-05 15:06:39)
日本が誇る泣きの旋律を奏でる天賦の才を持つ男、黒岩靖こと屍忌蛇率いるバンドが2005年にリリースされたミニアルバム。元々がパーマネントなメンバーとも言えなかっただけに、今作の参加メンバーはメジャーデビュー後とは違い、リズム隊は若き新人だしシンガーの瀬戸政彦はメフィストフェレスの工藤恭司率いるCOAT OF ARMS等で知られる割とフレッシュな顔ぶれになる。もの悲しいアコギのフレーズに導かれ泣きながら疾走する叙情派HM/HRナンバーの①は3rdでもリメイクされる今アルバムのリーダートラック、キャッチーな②は攻撃性と幅広い音楽性を伝える2ndにも通ずる魅力に溢れたナンバーだし、インストの③などは屍忌蛇のルーツを色濃く反映した一曲。やや薄味ですがブルータリティ溢れるお約束な④と一気に駆け抜けていき、思わずもっと聴きたいと思わせる渇望感と供に猛烈な物足りなさを覚えるのですが、涙腺を刺激する叙情的なフレーズと淡白ではありますが攻撃性を一切緩めないアグレッシブさは健在、荒涼としながらもどことなく優美でありながら、泣きまくるお得意のフレージングに、やはり胸焦がれますね。屍忌蛇というギタリストの魅力は詰まっていますが、サウンドをプロダクションも含め正直小粒感が否めない一枚、そして個人的にはいかにAIONのNOVがバンドの顔であったかを如実に物語る一枚でもあります。屍忌蛇ファンは勿論ですが、アグレッシブなサウンドと供に泣きたい方にはおススメ出来る一品でしょうね。
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