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Evolution / MISHA CALVIN
火薬バカ一代 ★★ (2009-01-10 00:15:00)
ユーゴスラビア出身で英国在住のギタリスト、ミシャ・カルヴィンが'93年に発表した1stソロ・アルバム。
作品自体のクオリティの高さ、そして元BLACK SABBATHのトニー・マーティンと、後にELEGYに参加する事となる
イアン・パリー(当時はまだ日本では無名に近い状態だった)がゲストVoとして自慢の喉を披露する「掘り出し物」として
輸入盤市場で結構な話題となり、後日、今は亡きゼロ・コーポレーションより国内盤がリリースされるに至った本作。
「東欧出身のギタリストのソロ作」というと、何やら民俗音楽調のメロディに彩られた寒々とした内容を想像してしまうが、
あに図らんや、ここで聴く事が出来るのは、様式美スタイルのドラマティックなナンバーから、キャッチーなコーラスを備えた
爽快なポップ・チューンまで幅広く揃った、適度なメジャー感を漂わせたメロディアスHRサウンド。
Gのみ突出する事のないアンサンブル重視の作風の下、楽曲のアレンジは細部まで綿密に練り上げられており、
しかもそれを、トニー・マーティンとイアン・パリーという現代HR/HMシーン屈指の実力派シンガーが絶品の歌唱力を
持って歌い上げてくれているのだから、素晴しくないわけがない。(両者とも作詞も手掛けている)
勿論、ミシャ・カルヴィンのGプレイも冴えており、中でも、絶妙な指捌きで楽曲に温かみと繊細な美しさを加味する
エレアコの調べをフィーチュアして、本編ラストをドラマティックに締め括る名バラード⑩の素晴しさと来たら!
ミシャ・カルヴィンというミュージシャンの、確かな才能の煌きを感じさせる1枚。
次作で流行に擦り寄ってズッコケた事が未だに悔やまれますな。
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