この曲を聴け!
Compendivm XI / ADKAN
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2015-06-09 22:28:43)
2014年発表のコンピレーションアルバム。
2003年の「Black Dominions」、2006年の「Infernal」、2010年の「Insanity from your Nails」の3本のデモを纏め、ボーナストラックを付けた編集盤。
この中の、「Infernal」パートに収録の「Vincent」という楽曲を試聴したんですが、もう一聴き惚れでしたね…。様式自体はプリミティブブラックそのものなんですが、Satanicなだけでなく、「Majesty」をも感じさせる邪悪極まりない、それでいてメロウなトレモロ、メリハリ付けつつもブラストパートではヤケクソな炸裂感を感じさせるリズム、喉が張り裂けるような感情の篭もった絶叫の中に、ドスの聴いた怒声を混じらせるヴォーカル…と、どの要素を取り上げても、このジャンルの音として滅茶苦茶ハイレベル。CRAFTやARCKANUMの音源同様、作り手がブラックメタルに取り憑かれているのが音から伝わるかのよう。
「Infernal」の音源からはそんな印象を受け、個人的に物凄くドツボに嵌まったんですが、残り二つのパートも悪くない…というか、「Infernal」が素晴らし過ぎたせいで若干霞んでますが、こちらも凄まじく良質なプリブラ。「Black Dominions」デモは、高音域のノイズを強調した音質と、バスドラの低音が噛み合った音が気持ち良く、プリミティブで邪悪さ満点な中にも正統派に通じるようなメロディのドラマ性があるのも素晴らしい。「Insanity~」デモは、メロディから感じるカタルシスが上がったのと、リフの歪め方がより破壊的になり、スラッシーなフレーズの攻撃性が更にアップしていて、もっとドラマティックな作風に仕上がっている感じ。個人的には、どす黒くもコシのある音質で、最もストレートに邪悪さが伝わる「Infernal」デモの音源が、やはり一番好きです。
某脚本家とかハンターハンターの雑魚敵を思い起こさせるようなバンド名ですが、音楽性は本当に素晴らしい!日本盤が出たことで注目しましたが、ほんと良いバンド見つけてきたな…という感じです。
→同意