この曲を聴け!
Peace out / NELSON
火薬バカ一代 ★★★ (2015-06-16 09:57:56)
快作『LIGHTNING STRIKES TWICE』で復活を果たしたNELSON待望の新作。「お、久々ですなぁ」と笑顔で購入したら、解説文でこれがNELSONの最終作と唐突に知らされて笑顔がピキーンと凍り付きましたよ。何でも「労多くして功少なし」なレコーディング作業に情熱と時間を注ぎ込む意義が見出せなくなり、以降はカントリー・フィールドでのライブ活動に軸足を移していくのだとか・・・。
それでも、本編の方には何ら特別なところは見当たりません(良い意味で)。感傷的にもハイにもならず、いつもの「NELSON節」が貫かれた作風は、知らずに聴いたら誰もこれが最終作だなんて思わない筈。
ライブ開始を告げるかの如き①で威勢良くスタートを切り、北欧メタルとBOSTONが哀愁合体したような③や、爽快な曲調とストーカー気質全開な歌詞のギャップに慄く⑧を経て、プログレ風味(というかQUEENタッチ)の日本盤ボートラ⑬で幕が下ろされる本作は、イキ良く、且つフックにも富むメロディック・ロック・チューンが惜しげもなく連打。胸を打つ哀メロ、キャッチーな曲調、息の合ったネルソン兄弟のボーカル・ハーモニー、かてて加えて、ニール・ザザ(G)のツボを心得たGプレイが彩りを添えてくれる名曲⑫なんて、そんな本作の魅力を集約したかのような出来栄えですよ。
有終の美を飾るに相応しい、実に質の高い1枚。それだけに、これほどのアルバムを作り出せるアーティストの創作活動を支え切れない昨今の音楽シーンの変質振りとは一体・・・。(斯くいう我が身も新譜購入枚数が減ってきてるので、他所のことばかりは言ってられないのですが)
→同意