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The Lord of Steel / MANOWAR
火薬バカ一代 ★★ (2015-06-20 00:20:36)
近年は、打つ手打つ手が悉く空回ってる印象が否めないMANOWAR。新作がそのモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれることを期待したのですが・・・。
神話を綴るに相応しい壮大な作り込みが為されていた前作『GODS OF WAR』の反動か、今回は楽曲にしろプロダクションにしろ、非常にシンプルでコンパクト・・・っつーか、地味じゃね?と。パンチに欠ける音作りから、起伏に乏しい本編の構成、キャッチネスが不足がちの楽曲、そしてクドさ控えめのメンバーのパフォーマンス(特にエリックのVo)に至るまで、従来作が、聴いてるだけで筋肉が勝手にパンプアップするメタル・プロテインとするならば、今回はまるでOL向けダイエット食品の如き淡白さで、これは一体どうしたことかと。
いや勿論優れた楽曲もあるんですよ。剛毅に疾走するOPナンバー“THE LORD OF STEEL”とか、好戦的に煮え立つ“EL GRINGO”、過去の名作/名曲のタイトルが歌詞に散りばめられた“HAIL, KILL AND DIE”、そして大仰過ぎる程に大仰な“THE KINGDOM OF STEEL”とか。その他のバンドがこのレベルの楽曲や作品引っ提げてやって来たならば、激賞は間違いないところですよ。「メタル蘇民祭」の様相を呈しているジャケットも最高ですし。
ただ、やはりMANOWAR作品としては「食い足りねぇ」と。これまでどんな賛否両論分かれる問題作だろうとも、背筋を伸ばして堂々提示してきた彼らなのに、本作に関しては「背中を丸めて置きに来た」との印象が拭いきれず。まぁ当方の勝手なイメージの押し付けなんですが。
思わず、他のMANOWARマニアの方の意見を伺いたくなる1枚。

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