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Deliver Us / WARLORD
火薬バカ一代 ★★★ (2015-07-11 02:03:27)
仕事帰りに店に寄ったら、何とWARLORDが'83年に残した伝説のデビューEPが再発されてるじゃありませんか。お得感で言えば初CD化時のFEMS盤に一歩譲るものの、今回はリマスター&SHM-CD仕様ですからね。「元の音質が酷いんだから手間と資源の無駄」と思われる方もいるかもしれませんが、個人的には「でもやるんだよ!」という心意気にいたく胸を打たれた次第。
さておき。その昔初めて本作を購入した時は、厳しいバンド名に、昭和プロレス魂溢れる(違う)メンバーのステージネーム・センス、そして国内盤邦題が『悪魔の洗礼』・・・もうどんだけ恐ろしい音が飛び出して来んの?と戦々恐々で再生ボタンを押したものですが、意外にも耳に響いたのは、儚く爪弾かれるアコギの調べよりスタートする叙情的とさえ言えそうなOPナンバー①。
勿論NWOBHMスタイルの疾走曲③や、破壊的なGリフが刻まれる⑤、バンドの代表曲である仰々しく劇的な⑦といったアグレッシブな楽曲も収録されていますが、このバンドの基本姿勢は、ヘヴィネスやダークネスに対する拘りよりも、まずはメロディ重視。Voを中心に据えたHMサウンドは案外キャッチーな仕上がりで、この辺のバランス感覚はやっぱりLAのバンドならではだなぁと。
Voが歌い、Gが紡ぐ、シケシケでクサクサな哀メロがとにかく冴えまくりで、人によっちゃ貧乏臭く聴こえるやもしれませんが、こちとらそんなの関係ねえ。もう終始泣きのツボを押されっ放しでして、オカルティック且つミステリアスな曲調の中に、時に北欧メタルやプログレ・ハードに通じる透明感とリリシズムがキランと光る楽曲は、全編これ捨て曲なし(シングル曲やコンピ盤提供曲のボートラも実に美味)。
プロダクションの弱さを四の五の言わせない破壊力を秘めた、「USカルト・メタルの至宝」との評価に恥じぬ1枚ですよ。
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