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Shot in the Dark / GREAT WHITE
火薬バカ一代 ★★ (2015-07-21 22:39:59)
メジャー・レーベルからリストラされてしまったGREAT WHITE、逆転の一撃となった'86年発表の2ndフル・アルバム。
前作を聴いた時「LAメタルそのものな音」との感想を持ちましたが、どっこい、こっちも負けてなかった。というか、丸み帯びたプロダクション、暗さや疾走感が薄まった分、ミッドテンポを中心にキャッチーなノリ易さの増量された楽曲、そしてKeyを適宜取り入れた洗練を感じさせるアレンジと、本作の方がLAメタルの最終形態にぐっと近付いた印象さえ有り。
レコードで言うところのA面とB面のカラーの違いもユニークで、明るくハジける楽曲が集中するA面が、カラッとした陽光照りつける「昼」の雰囲気漂わすのに対し、雷鳴と共にスタートし、ヒンヤリとした冷気を運んでくるKeyを有用した楽曲が並ぶB面は、さながらネオン瞬く大都会の「夜」といった趣き。アルバム1枚でLAの昼と夜が追体験できてしまう、非常に贅沢な(?)構成が素敵です。
お気に入り具合で言えば、そりゃ後者に軍配が上がることは表明するまでもなく。特に、ムーディだけどまだ土の匂いはしないドラマティックな⑥⑧、クールな哀メロを伴う歯切れ良く軽快なHRナンバー⑦は、初期GREAT WHITEならではの名曲。既に才能の片鱗をチラ見させるジャック・ラッセルのVoは勿論のこと、マーク・ケンドールの表現力と構築美を併せ持ったGソロも聴きモノですよ。
↑上で別の方が指摘されている通り、LAメタルからブルーズ・ロックへと至る過渡期の産物であり、これがGREAT WHITEの最高傑作だとは思いませんが、でも前作と共に彼らのカタログの中では手が伸びる回数が多めな1枚だったり。

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