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Too Late to Pray / TYRANT
失恋船長 ★★★ (2015-10-04 15:23:49)
US版マーシルフェイトと言われた彼らが1987年にリリースした2nd。音質も前作より向上していますがバンドのアンサンブルがより強化された事が音に厚みをもたらし前作以上にギターも印象的なフレーズを持ち込みよりミステリアスかつダークな面にメリハリが付き効果も倍増、アグレッシブなスピードナンバーから情念は薄いがおどろおどろしい曲までしっかりとこなしています。特にシンガーのアプローチも変わり、前作では意味無くハイトーンをかまし、肝心のキメではそうでもない感じでイマイチのめり込めないのですが、今回はその辺りを反省した歌い込みが成され不安なく曲に集中出来る。タイトでメタリックなリズムの上を駆け巡るシャープなギターとパンチの効いた唄は十分な説得力を増しホラーメタル系バンドならではの妖しげな世界観を存分に体感させてくれるでしょう。ガッチガチでゴッキゴキのバッキバキな鋼鉄サウンドはまさにヘヴィメタルそのものカルフォルニア出身とは思えない欧州的な翳りとシリアスな世界観を踏襲した姿はタイプは違えどマノウォー辺りと比較しても遜色ないでしょう。比類なきマーシル・フェイトサウンドと比較すると、あそこまでの深みは無いが、それはおそらくお国柄の成せる技のようが気がします。1stより全てにおいてビルドアップされた今作、レザー&スタッドに身を包んだスタイルとジャケットワークから漂う怪奇な雰囲気は存分に楽しめるでしょう。時代は1987年浮かれつつあるシーンの中で確固たるコンセプトを貫いた今作は正統派のHM/HRが好きな方には聴いて欲しいですね。一部のマニアだけが愛でるカルトバンドでは終わらない魅力がありますよ。

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