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Eye to Eye / 220VOLT
火薬バカ一代 ★★ (2015-10-06 01:27:08)
EUROPEの成功劇に刺激され、その後に続かん!とばかりに、アメリカナイズされたコマーシャル路線へと転進を試みた'88年発表の4thアルバム。
売れっ子マックス・ノーマンのプロデューサー起用、タイトに締まった音作りから、分かりやすく整理された曲展開、キャッチーさをいや増したメロディ、そして盛り盛りのコーラスに至るまで、バンド側の「アメリカで売れたるでぇ!」との熱い野望をヒシヒシと伝えるかのように躍動するサウンドは、「田舎臭さも北欧メタルの魅力だよな」とかのたまう難儀なジャンルファン(俺)以外にも十分アピールし得る、220VOLTの代表作に相応しい洗練された佇まいを獲得しています。
さりとて、北欧メタル・テイストが完全に失われてしまったわけじゃなく、例えば疾走ナンバー⑦におけるスリリングなツイン・リードGの用い方や、淡い哀感に覆われたアルバム表題曲④、名曲と評判のバラード⑤等からは、隠そうとしても隠し切れないバンドの出自がチラ見え。1st『220VOLT』をこよなく愛する我が身を安堵させてくれます。
結果的に本作は思ったような成功を収めることができず、220 VOLTは解散の道を選択するものの(後に復活)、彼らとしてはここまでやり切ったのなら、無念さはあっても後悔はなかったのでは?と思わせてくれる1枚でありました。

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