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Atom by Atom / SATAN
火薬バカ一代 ★★★ (2015-11-22 09:39:52)
復活作『LIFE SENTENCE』の好評を駆って世界中をツアーして回り、ファンの反応をつぶさに体感出来たことが刺激となったのか、こうして届けられた新作もまた、アートワークから楽曲に至るまで、「よ!たっぷり!」と大向こうから声が掛かる勢いでSATAN流HMサウンド大盤振る舞い。シャウトの一閃と共に、キレキレのGリフが乱舞する名曲①で幕が開くOPにアガらないメタル者がいるでしょうか?!と。
この曲に限らず、スティーヴ・ラムゼイ&ラス・ティッピンズの抜群のチームワークによるツイン・リードGは、相変わらずフル回転で本編のハイライトを創出。手数多めで木目細かいGリフを鋭角的に刻み、湿ったメロディを懇々と湧き出させる、緩急/変幻/自由自在のコンビネーションはいくら褒めても褒めたりない素晴らしさですよ。
そして勿論、英国人シンガーらしく(白でも黒でもない)灰色の歌メロを拾っていくブライアン・ロスの、青白い炎が揺らめくような、冷めた仕草で熱く見る(?)ような熱唱、老成とは無縁の突っ込み気味の演奏でボトムを支えるリズム隊の良い仕事ぶりも忘れちゃいけません。
この三者の最良の部分が抽出された①に、動~静~動と澱みなく展開していく劇的な③、アグレッシブに畳み掛ける④、そしてANGEL WITCHのケヴィン・ヘイボーンが曲作りに関わって怪しげ且つ壮大なドラマを描き出す⑩・・・。前作『LIFE~』に比べると少々掴み所に欠ける中盤でテンションが緩むのですが、ブリティッシュHMの醍醐味を満喫させてくれる上記収録曲の数々が、十二分にそれをカバー。結果的に本作は、勢いに乗るSATANの充実っぷりを雄弁に伝えてくれる1枚に仕上がっています。

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